2泊3日、嘉義・台南と九分・台北【第2日目】

第2日目(平成29年4月21日)

台南

バスに乗って、飛虎将軍廟へ

朝は、ゆっくり7時半に目覚める。

身支度を整え、コンセントに差し込んでいたスマホの充電器等をバックに放り込んで、8時にはホテルをチェックアウト。ホテルのちょうど前にあるバス乗り場へ。

バス乗り場には10人程度が座れるベンチが据え置かれており、そこで数人がバスを待っている。車道上には係員のオジサンが立っていて、やって来るバスの番号を叫びながら御案内。

ベンチに座って3番のバスが来るのを待つ。傍らには、日本人の母娘とみられる2人も。係員に行き先を伝えていたようで、間違ったバスに乗ろうとして係員に止められている。この係員、2人が乗るべきバスが来ると、ベンチに座る2人に駆け寄り乗車を案内。言葉は台湾語のようだが、大振りのジェスチャーで、何を言っているのかは十分理解できる。

バス停で待つこと15分。ようやく3番のバスがやってくる。乗車したバスは市内中心部を経由して台南市の北部に向かって進む。台湾は右側通行なので、バスの乗降口も日本とは反対の右側。それより大きな違いは・・・

天井に非常口。考えてみれば、バスが横転したなら側面に設けられた非常口は地面に接するか、高い場所にあるかで、脱出不可能!日本のバスに天井の非常口が設けられていないことの方が不思議?

バスが郊外に入ったところでスマホのGoogleMapを起動、現在地点を確認。飛虎将軍廟のある同安路まで3~400mに近づいたところで降車ボタンを押し、路地から100m位手前のバス停で下車。乗車時間は約20分。

飛虎将軍廟

大通りから同安路に入り、約200m位進むと、左手に目的地の飛虎将軍廟。米軍機に撃墜されたものの、市街地に墜落するのを避けて郊外まで飛び続けて亡くなった杉浦兵曹長が地域の神様として祀られた廟。

入口脇のベンチにお爺さん2人が座っているので、覚えたての台湾語で「早安(ザオアン=おはよう)」と挨拶。廟に入ると、2人も入ってくる。

2人とも日本語は分からないようだが、こちらの目的は十分に分かっている。1人が手招きで廟の入口に誘導してくれ、火のついた線香を渡してくれる。そして、後に続く形で、台湾式のお詣り。

まずはお詣りを済ませて、バッグから日本酒のミニカップ(液体は100ccまでしか飛行機に持ち込めないため)とタバコの「わかば」(今や日本語名のついたタバコはコレだけ。米軍機と戦った兵曹長に英語名のタバコはお供え出来ない!)を取り出して渡す。すると、お爺さんは日本酒をお供え台に置いた後、タバコの封を切り、バーナーを手にして、御神体の前に連れて行ってくれる。

御神体の前には、杉浦兵曹長が好きだったタバコをお供えする器具。そこにタバコを置き、点火したバーナーを手渡してくれるので、タバコに火を付け、再び参拝。

参拝が終わると、祭壇の右手の資料展示コーナーへと促され、そこで記帳。前日の記帳欄を見ると、10人近い日本人が訪れていることが分かる。自分は本日最初の訪問者。

展示された資料は、生前の杉浦兵曹長に関するものや、廟の歴史など。撃墜されてから神様として祀られるまでの経緯を漫画と日本語で紹介するパンフレットも頂ける。

最後に、祭壇前の賽銭箱に100NT$札を入れて、お詣りは終了。お爺さんが「タクシー?」と訊いてくる。バスで戻るつもりだったが、せっかくの御好意なので、タクシーを呼んでもらい、入口脇のベンチで小休止。

湯徳章記念公園

待つこと10分程度でタクシーが到着。乗車時間15分程で台南中心部へ入ると、林百貨店が見えてきたので、その前で下車。料金は100NT$ちょっと。

林百貨店は、日本統治時代の百貨店。現在はリニューアルして、土産物や雑貨を販売しているが、10時の開店前なので、ガラス超しに中を覗くだけ。

林百貨店から台南駅に向かって150m程進むと、大きなロータリー。走り抜けるバイクや車に注意しながら、ロータリー中央部の湯徳章記念公園に入る。湯徳章氏は弁護士で、日本人の父と台湾人の母の下に生まれた人。戦後、国民党が台湾の人々を弾圧した「2・26事件」の際に、市民を守って、この場所で処刑された人。公園の一角に銅像が立てられている。

湯徳章記念公園から台南駅までは歩いて約15分。途中、蝦団子で有名な「黄氏蝦仁肉団」で朝食を採ろうかと思ったが、本日は閉店のよう。鉄道ホテル脇のコーヒーショップが開店していたので、チェックインの際にもらったクーポンでアイスコーヒーを注文して朝食代わり。

高速鉄道・台南駅で大失敗!

台南駅から高速鉄道の台南駅までは、沙崙線という支線に乗って約25分。沙崙駅の改札を出ると、目の前が高速鉄道・台南駅。11時過ぎに、高速鉄道の窓口にクーポンを提示。英語で「5分後の列車に乗るか?」と訊かれたので、「yes」と回答。

発車時間が迫っているため、改札を抜けると、ホームに向かって小走り。ホームに登る階段の下まで来ると、列車が入ってくる音が聞こえる。急いで、階段を駆け上ると、ちょうど列車のドアが開いたところ。並んでいた女性2人に続いて乗車すると・・・列車の中はやけに空いている。台北に向かう列車ならもっと混んでいるはずだが?・・・と思って、前の女性に「タイペイ?」と訊いてみると・・・綺麗な日本語で「この列車は高雄行きです。台北行きは反対側のホームです」との御回答。「謝謝」と言いながら、慌てて列車を降りる。

間違った列車からギリギリ降りることが出来て一安心するも、反対側のホームに列車が入ってくるのが目に入る。階段を駆け下り、そして反対側のホームに駆け上がるが、目にしたのは列車のドアが閉まる瞬間。しかたないので、ホームのベンチに座って、次の列車を待つ羽目に。

次の列車は、11時40分頃に台南駅を出発。すでに多くの人が座っている指定席車両を抜けて自由席車両に行ってみると、席はガラガラ。2人掛けの空席を見つけて、座席を確保。

台北まで約300㎞・2時間の移動を車窓の景色を眺めながら過ごす。

台北で昼食

途中の駅で停車する度に乗客が増えていったた高速鉄道は、台北市内に入る手前で地下へ進み、台北駅地下のホームへ入線。他の乗客にゾロゾロ続いて、下車。ちなみに台北駅は終点ではなく、ひとつ先の「南港」が終点。

高速鉄道の改札を出ると、そこは台北駅の地下街。すぐ脇には台湾鉄道の改札も見える。地下街の大きさは東京駅の八重洲地下街と同じくらい。地下街の案内図がアチコチにあるので、自分が地下街のどこにいるのかは分かるが、GPSが使えないので地上との関係が分からない。取り敢えず、地上に出て、GPSで自分のいる場所を確認。

統一排骨店

時計を見ると、2時近く。朝から何も食べていないので、お腹も空いた状態。そこで、台北駅から10数分歩いたところにある「統一排骨店」へ行って、遅めの昼食を採ることに。

「統一排骨店」は人気のある店だが、昼食時を過ぎているので、店内はガラガラ。入口から店内に進むと、女性が何やら話しかけてくるので、指を1本立てて一人である旨を示すと、日本語で「おひとりですね」と言いながら、最寄の席へと御案内。

テーブルの上にはメニューが立てられている。豚肉の排骨の他に、鶏のもも揚げや白身魚のフライもあるが、基本的に揚げた排骨に、ルーローという煮込んだ肉そぼろの乗った御飯か麺かを付けるのが定番料理(味噌汁付のセットで130NT$=約480円)。日本語の分かる店員が注文を取りに来たので、麺を選び、合わせてビールを注文。

渇いた喉にビールを流しながら待っていると、排骨が出てくる。それとルーロー飯(「頼んだのは麺だヨ」と言って、取り替えてもらいました)。

切れ目の入った排骨を一口食べると、醤油系のしっかりした味付け。ビールのお供にバッチリといった感じだが、ビールの残りが少ないのが悔やまれる。麺も麺自体に味付けがされているのに加えて、乗っている具を混ぜ込むことで丁度良いお味に。排骨なしの単品として食べても旨い麺。

お腹を満たして、再び、台北駅へ。広い1階ホールから地下の改札口へと向かう。本日宿泊する九分には、台湾鉄道で瑞芳駅まで行って、そこからバスに乗るのだが、台北駅のホームで目にしたのは、瑞芳駅の手前で本線から外れて基隆に行く普通列車。基隆は台湾北部の港で、日本統治時代には台湾の玄関口。せっかくなので、基隆行きの列車に乗車。乗車時間は約45分。

基隆港

駅の改札を抜けると、目の前には基隆港。海から幅広い水路のような形で陸地に入り込んでおり、突き当たりに当たる場所には「海洋広場」という名前のウッドデッキで整備された公園。多くの人々がそこから港を眺めている。真っ白な大型客船も停泊しており、絵になる光景。

港の前の道路を渡り、市街地を歩く。路地を進んでいくと、目に付くのは大量の魚介類や乾物。どうも付近一帯が海産物問屋のよう。

しばらく市街地を散策して、港に戻る。すると、停泊していた大型客船が大きな汽笛を鳴らして、ゆっくりと動き出す。ちょうど出航のタイミング、港から外洋に出て行く大型客船をしばし眺める。

時計を見ると、基隆に着いてから1時間ほど経過した5時。港の脇には観光案内所と「イカリ・コーヒー」という名前のコーヒーショップの入居する建物。お洒落なコーヒーショップでミックスジュースを飲みながら一休み。お値段は100NT$(約370円)と、飲食代の安い台湾にしては高めの価格。

冷房の効いた店内と冷たいミックスジュースで火照った身体を冷まして、隣の観光案内所へ。入口を入ったところに中年男性のスタッフが立っていたので、英語が分かるか訊いてみると「少し出来る」との回答。自分と同レベルの語学力なら意思が一番通じやすい! 九分行きのバスがどこから発車するのか訊ねると、観光案内所の外へと導かれ、道路の反対側にあるファミリーマートを指差して「あそこの前からバスが出る」と、バスの番号と共に教えてくれる。

バスで九分へ

教えられたとおり待っていると、程なくバスがやってくる。乗車する際、運転手に「ジョウフェン?」と、九分に行くか確認するが、運転手の答えは「ハァ?」。そこで、スマホの画面に映し出された九分の文字を見せると、首を縦にふる。間違いなく、九分には行くよう。

車内中程の2人掛けの席に着席して見回すと、バスの乗客は数人のみ。「こりゃあ快適」と思っていたら・・・次のバス停で、下校する高校生がドヤドヤと乗り込み、アッと言う間に通路までひしめき合う状態。

定員があるとすれば、確実に定員超えの乗客を乗せたバスが発車するや否や、車内にはバタバタと車体が叩かれる音が響き渡る。窓を見ると、ホースで掛けられているような水の流れ。強烈なスコールで、ちょっと前まで夕暮れの明るさだった窓の外は真っ暗な状態。そんなスコールの中、バスはディーゼルエンジンをがなり立てながら、片道1車線でカーブが連続する狭い道でスピードを上げ、丘を登っていく。ちょっと荒い運転!?

丘を登り切ったバスは、アップダウンの激しい道を進み、やがて丘を下りはじめる。基隆を出発してから40分程度で、九分最寄りの瑞芳駅前に一旦停車。そこから再び丘を登り始めて山の上に位置する九分へと進む。スマホのGoogleMapを起動させると、だんだん九分が近づいてくるが、雨脚は一向に弱まらない。バッグの中から折りたたみ傘を取り出し、下車に備える。

九分

バスは、瑞芳駅前を出てから約15分で九分に到着。バスを降りると、セブンイレブンが見える。そこが九分老街の入口。

チンユエ・ベッド&ブレックファースト

本日宿泊する「チンユエ・ベッド&ブレックファースト」は、言うなれば民宿。九分にはホテルは無く、宿泊するとすれば全て民宿。Agodaで予約した際に送られてきた予約確認書に記載された宿の所在地をGoogleMapで検索すると、九分老街の先にある墓地。いろいろネットで調べたところ、なんの事はない表通りに面したセブン・イレブンの並び。ただし、表通りの1階は車庫で、宿の入口は1本奥の道に面しているよう。

セブン・イレブンの20m程度左にある階段は、どしゃ降りの雨が滝のように流れてくる状態。滑らないように慎重に階段を登ると、幅2m程度の小道。両脇には民家が迫っている。

宿の入口には名前が記載された小さな表札。表札横のボタンを押してベルを鳴らすと、ドアが開き、初老の女性が出てきた。空き部屋は無いというようなジェスチャーをしているが、言葉が通じない。しかたなく英語で「予約している」と話すと、向かいの家のドアを開けて若い娘に何やら話している。娘さんは英語ができるよう。英語で「予約で一杯」と言ってきたので、Agodaを通じて予約済なことと自分の名前を言ってみる。すると、やっと予約客だと分かってもらえる。民宿入口と部屋の鍵を渡され、娘さんの案内で部屋へ。チェックインの必要書類への記入を済ませると、WI‐FIの説明するとともに、朝食時の飲み物を訊いてきたので、紅茶を選択。

※ これで1泊6300円! 九分の民宿はみんな高い!

九分老街

部屋に荷物を置き、どしゃ降りの中、九分老街へ。宿の前の小道を歩いて行くと、九分老街を2~30m入った場所に出る。この辺りは老街の上に屋根が設けられており、濡れずに済むが、5~60m進むと屋根は無くなる。傘を持ったり、ビニールカッパを着た観光客が歩いているが、大雨に加えて風も強いので、いずれも濡れネズミ状態。老街奥にある「阿妹茶楼」の有名な夜景を見たかったが、この天候状態では無理。

あきらめて、屋根のある場所を散策。道幅3m程度の老街の両脇には、観光客目当ての飲食店や土産物屋がひしめき合っている。何か記念の土産はないかと物色したが、コレといったものは見当たらない。結局、1000円程度の印鑑を一つだけ購入。印影を伝えると、5分程で出来上がり、ケースに入れて渡してくれる(結果として、印鑑の直径が銀行印並みに大きいため、職場で使うことは出来ず)。

印鑑を手にして、「九份傳統魚丸」という名の飲食店に入店。壁に掛かったメニューや店内を見渡しても、ビールのようなアルコール飲料は見当たらない。しかたないので、店名もに記された「傳統魚丸湯」を注文。出てきたのは、数種類の魚のツミレの入ったスープ。一口食べる。そして二口目、三口目・・・味がしない。薄味の台湾とは言え、さらに薄味。濃い味に慣れた関東者の口には合わない。アルコール飲料も無いので退散。

結局、老街入口のセブン・イレブンでウイスキーとビール、それとポテトチップを買い、老街で売っていたエビ団子と野菜炒めをテイクアウトして、部屋に戻って夕食を採ることに。しかし、テイクアウトしたエビ団子と野菜炒めも超薄味。醤油が欲しくなる。結局、塩の効いたポテトチップと交互に口に入れる形で、やっと完食。

ウイスキーの小瓶とビールの缶もすぐに空。どしゃ降りの中、アルコール飲料の品揃えが悪かったセブン・イレブンの先にあるファミリーマートでアルコール飲料を物色。「月桂冠」のワンカップがあったので2つ購入。ウイスキーの「角」も同様だったが、ワンカップ1つが100NT$(約370円)程度と、日本の酒は値段が高い!(でも、酒飲みには背も腹も変えられませんが)。

そんなこんなで、テレビで「ちびまる子」を見ながら、日本酒を飲んで、台湾2日も終了。おやすみなさい。

コメント

Translate »