クジラの胎内に入ってみました!

令和3年も終わりに近づき、我が国の出入国規制も段々と緩和される方向にあったものの、新たな変異株・オミクロンの出現によって再び鎖国状態に逆戻り。

これまで貯まったANAマイルは2万1000マイルで、これを使って中国・西安にある兵馬俑を見に行こうと思っていたが、約1万マイルの使用期限を迎える令和4年9月までに出入国規制が緩むとは到底思えない状況。加えて、4月の網走旅行以来8カ月もの長期間、飛行機に乗っていないので、持病「ヒコーキ乗らないと死んじゃう病」の発作も心配。

そんな中、毎週水曜日に発表されるANAトクたびマイル(翌日から1週間の対象路線の中から通常のマイル数より少ないマイルで国内線特典航空券を入手可)の対象路線に羽田ー広島路線が、加えて、必要なマイル数も通常の割引である片道4500マイルではなく3000マイル。通常は片道6000マイルなので、片道分のマイル数と空港使用料580円でチケット(実際には電子データ)を入手。

ANA675便・羽田発広島行

水曜日の ANAトクたびマイル対象路線発表から3日後の12月4日。関東地方の天気は快晴。9時20分発のANA675便は定刻に出発。

機種はエアバス321というナローボディ機(単通路)。約220人乗りの機体だが、搭乗率は6割程度で、空席が目立つ。

中距離以上の路線だとトイレに行きやすい通路側席を選択するのだが、今回は短距離路線なので珍しく窓側席を予約。これが正解! 東京都心部が一望! おまけに遠くには富士山も見える!

翼先端の下が皇居。手前には東京スカイツリーも!

そして丹沢上空を通過して・・・富士山上空!

山中湖や河口湖もハッキリ見える!

広島空港

快晴だった空も名古屋近くで厚い雲に覆われ、曇り時々晴れといった広島空港に着陸。

となりのハンガーには富士ドリームエアラインの小型機・エンブラエム。一度乗ってみたい!

広島空港から呉へはバスで1時間。ただし、東京からの航空便とは連携しておらず、バスの出発は広島空港到着から1時間後の11時45分。広島駅までのバス便はすぐに出発するが、そこから呉まで鉄道に乗ると所要時間は約2時間。加えて鉄道料金も必要ということで、1時間後の呉行バスを選択。

料金は片道1370円なのだが、券売機に表示された往復運賃は2360円(有効期間は7日間)。これは絶対に往復チケットがお得!

バスチケットを購入してから、空港ビル3階のフードコートで早めの昼食。食べたのは尾道ラーメン(770円)。さっぱりとした魚介系の醤油スープに固めの細麺。トッピングは脂身少なめのチャーシュー2枚とメンマ。割と旨かった!

バスに乗って約1時間。午後1時近くに呉駅前バスターミナルに到着。

跨線橋を渡って、バスターミナルとは反対の海側へ。駅ビルの前は三菱重工の工場。その工場を迂回する形で進むとショッピングセンター。ショッピングセンターの中を進んで海側の出口を出ると・・・巨大なクジラの尻尾。隣接する建物には「海上自衛隊呉史料館」との表示。

スクリューの形は機密事項なので、取り付けられているスクリューはダミー。

クジラの頭の方に進み、交差点を渡って、写真をパチリ!

空港からのバス車内でホームページを見たところ、コロナ対策で、入館は4つの時間帯に分けて行っている。2番目の入館時間は午後零時30分から2時までで、既に30分が経過。見学にどれだけの時間が必要か分からないので、3番目の時間帯(午後2時30分から4時)に入館することにして、目の前の埠頭に行ってみる。

大和波止場

埠頭の名称は「大和波止場」。車止めは砲弾の形。

「大和波止場」 の先には大和の錨。錨に刻印された重さは14250KG!

「大和波止場」 の先端から海を見る。左手にはマリン・ユナイデットの造船所。沖合を見ると海軍兵学校の別称でもある江田島の手前に航空母艦ヘリコプター搭載艦・・・デカイ!

「大和波止場」 から振り返ると、左にクジラ、右に大和ミュージアム。

大和ミュージアム

大和ミュージアムの前には、戦艦の部品が陳列。この大砲は戦艦「陸奥」に搭載されていた41センチ砲で、大和に搭載されていた45センチ砲より少しだけ小口径。

特別展(大和と呉軍港)も見れる入館料は800円だが、常設展だけの入館料は500円。

入館すると、10分の1サイズの戦艦「大和」がお出迎え。

「大和」の船主から見て左手が資料展示室。帝国海軍の成り立ち、太平洋戦争の経緯、「大和」の建造~撃沈、帝国海軍「広工廠」で建造された船や航空機の模型などなどが展示。

広工廠で建造された艦艇は133隻とのこと。

展示の最後には、呉の戦後復興に関する資料。

資料展示室から出ると、「大和」の船尾。

「大和」を挟んで、資料展示室の反対側には「大型資料展示室」。

特攻潜水艦=人間魚雷「回天」が展示。魚雷の直径は50センチ程で艦橋部分も同程度の高さ。人間が乗り込むにはギリギリのスペース。

零式艦上戦闘機(ゼロ戦)も展示。通路を進むと2階・3階へと

昇っていく。

2階から見下ろした「大和」。

3階・船尾方向から見下ろす。

3階の映画室で、「大和」の建造から撃沈まで紹介した15分程の映画を鑑賞。普通の映画だと、最後に役者やスタッフの名前が流れるが、ここの映画で流れるのは出身都道府県別にまとめられた戦死者の名前3000名余。

海上自衛隊呉史料館・鉄のくじら

午後2時30分に近くなったので、「大和ミュージアム」を後にしてクジラへと進む。

門の真ん中には、コロナ対策で4つに分割された入館時間帯が掲示。クジラの腹をくぐって、隣接する史料館へ。

史料館入館を待つ人々は3列に分けられ、それぞれ時間を空けて入館。入館時に氏名と連絡先を記入した書類を提出。ちなみに海上自衛隊の施設なので、入館料は無料。

1階には海上自衛他の歴史についての展示。その展示の前に並び、20人位づつエスカレーターで2階へと移動。

2階は掃海隊についての展示。海上自衛隊の掃海技術は世界的にも優れているが、それは太平洋戦争中に米軍が日本を取り囲む海域に施設・投下した多量の機雷を除去するという任務を長年に渡って遂行したことによって培われた技術。湾岸戦争後のペルシャ湾掃海でもその技術を発揮!

各種の機雷が展示されているが、フラッシュ撮影禁止のため、ライトアップされた機雷のみ撮影。

掃海艇の模型や、機雷を撃って爆発させる20ミリ機関砲などなどが展示。掃海に使用するフロートにはサメの顔?

3階に昇ると、潜水艦に関する展示。

潜水艦内の食堂やトイレ・シャワー、寝室、潜望鏡などの模型。

展示の最後には、歴代潜水艦の模型。

潜水艦の模型展示の先を曲がると、ようやくクジラの胎内。 ただし、ハッチなどは無く、単なる通路を通って胎内に!

概ね船首から4分の3程度にある入口から入ると、トイレとシャワー。

トイレとシャワーの正面に延びる通路。幅50センチ程度で、肥満体の乗務員がいたとすれば、すれ違うの無理!

通路中程の左には居住室(下士官用?)

通路を先に進むと、左手に士官用ベッド。

士官用ベッドの先には、唯一の個室である艦長室。広さはベッドも含めて畳2帖程度と極狭!

艦長室から先には、潜望鏡や操縦席のある作戦室。残念ながら、その手前から先は撮影禁止! 係員がいて、しっかりと見張っている。

クジラの出口は船体中央に位置する艦橋の真下。つまりクジラ胎内の移動距離は船体の4分の1程度。

1階に降りると、出口付近は簡単なカフェと海上自衛隊グッズなどが並ぶお土産物屋。ざっと見て回るが、欲しいモノも無いので、入館から約50分で退館。

艦船めぐり

そして、次に向かったのは大和ミュージアムの隣にある「呉中央桟橋ターミナル」。 四国の松山、対岸の江田島、そして広島との間を行き来するフェリー&高速船の発着場所。

なぜ、そんなターミナルに来たのかというと・・・

実は、大和ミュージアムを出た所で見つけた看板がコレ。自衛艦で日没時に吹奏されるラッパを聞くことの出来る「夕呉クルーズ」があるようだが、料金が書いていない。ネットで検索したら1500円という手頃な料金。ただし、前日までの予約制のようで、当日券は窓口対応(当日予約は不可)とのこと。

窓口付近にいるスタッフに訊ねると、当日券が発券出来るとのこと。発券は午後4時からだが、窓口付近をうろついていたら、3時45分頃に女性スタッフが発券してくれた。

窓口の横には「本日の入港艦艇」案内。やはり航空母艦ヘリコプター搭載艦は「かが」。

埠頭を見ると、クルーズ船が係留。

クルーズ開始時間は4時35分。まだ50分近くあるが、ターミナル内には喫茶店のような施設はナシ! 仕方ないので、ターミナル内のセブン・イレブンでコーヒーを購入。カップをコーヒーサーバーマシンに入れ、コーヒーがドリップされるのを待つ間、背後の土産物棚をみると・・・大和のマグネット。これまでも各訪問国・地で購入しているマグネットプレート、かさばらないので記念土産には最適!

金属製、横幅12cmで割と大き目 値段は確か税込400円少々

陽が江田島に沈みつつある頃にクルーズは出航。1階船室に入るとラッパの音が聞こえないとのことで、参加者約50人は2階のデッキへ。気温も下がり、風も吹いていて、さささ寒い!

建造されている船の説明を聞きながらマリン・ユナイデット造船所の前と通過して自衛隊エリアへ。

左手に艦艇を見ながらクルーズ船は進む。自分が座ったのは右側。写真を撮ろうとしても、他の乗客が写り込んでしまう!

自衛隊エリアの一番奥が潜水艦バース。3隻の潜水艦が係留中。

他の乗客が写り込まないよう、席から立って、望遠レンズで撮影

写真の2隻の艦尾に注目! 奥の「そうりゅう型」の舵はX型で、手前の「なだしお型」の舵は十字型。 X型 の方が最新型。

なんてゆう説明を聞いていたら、ここでクルーズ船が反転。今度は座っている右側席が艦艇側

一風変わった双胴の艦艇は海中の音データを収集する特殊な艦艇。収集する海中の音とは、もちろん日本海の向こう側から出航した潜水艦が発する音!

航空母艦ヘリコプター搭載艦の「かが」も良く撮れたが、巨大な艦のため写真に納まったのは艦橋より前の部分のみ。

日没が迫ると、各艦艇では自衛隊旗を降ろす準備。日本海の向こうの半島住民が何かにつけて難癖をつけてくるデザインだが、我が国伝統の旗!!!

動画です

「かが」の船尾を通過して、練習艦「しまかぜ」と「はたかぜ」の船尾の前で待機。

自衛隊旗降下の様子は動画で

クルーズ船に向かって手や帽子を振る隊員も見かける。サービス精神いっぱい。

再びマリン・ユナイテッド造船所の前を通って帰港。「大和のふるさと」と書かれた看板の場所が戦艦大和が建造されたドック跡。現在は埋め立てられて、造船資材置き場になっているとのこと。

海上から見たクジラと大和ミュージアム。デジタルカメラで撮影しているので明るく映っているが、実際にはかなり暗い眺望。それにしても寒い! もう少しの辛抱! でも乗って良かった!

ターミナルビルのトイレに駆け込んだ後、駅へと向かう。

これまで地上を移動していたが、桟橋ターミナル2階からショッピングセンターと駅ビルを経由して、歩道橋が呉駅まで続いていた!

広島空港でお好み焼き

駅ビルに着くが、バスの出発までは45分程。お好み焼きで一杯飲むには時間が短いということで、駅ビルの中をぶらぶらしながら時間潰し。

午後6時10分発のバスに乗車。バスの乗客は自分ともう一人だけ。

空港に着いたのは約1時間後の7時15分。2階出発ロビーに上がると、土産物屋の半数が閉店済。とりあえず開いている店で「もみじ饅頭」を購入してから3階のフードコートへ。

左がお好み焼き屋「五エ門」、右が昼食に尾道ラーメンを食べた「雄」

スペシャルはコストパフォーマンスが悪そうだし、パワフルは嫌いなホルモンが入っているということで、デラックスを注文。

飲み物は? と聞かれたので、清酒「亀齢(キレイ)」を「熱燗で1合」と注文するはずだったが、勢いで「熱燗2号」と注文! 冷えた身体にしみ渡る! 酒自体は辛口で旨かった!

熱燗の入ったチロリは鉄板の上。これだと熱燗が冷めない!

待つこと約10分、出来上がったお好み焼き。早速食べようとヘラで崩したところで、写真を撮り忘れたことに気づいてパチリ!

お好み焼きと熱燗で身体が温まり、7時50分頃に出発ロビーのある2階に降りると、先ほどまで開いていた土産物屋も閉店済。ちょっと早すぎません?

広島空港を定刻の8時30分より10分程前に出発したANA686の搭乗客は40人程度で、約220人乗りのエアバス321の機内はガラガラ。

周りに座る人もいないし、航空機も岡山上空で安定飛行に入ったので、追加の一杯「カープびいき うまいじゃろ」。いかにも広島らしいネーミングだが、酒自体はちっとも旨くなかった!

羽田空港到着はほぼ定刻どおりの9時42分。京浜急行とバスを乗り継いで帰宅したのは11時。

今回の旅行で買ったお土産は、戦艦大和がプリントされたクッキー、定番のもみじ饅頭、そして珍味「かきの塩辛」

クッキーには3種類のプリント

一見グロテスクな「かきの塩辛」。早速、寝酒のお供にしたら、生臭さはなく、ほのかに牡蠣の風味。それより何より本当に超塩辛い!!

70g入で1129円の高級珍味

日帰り呉ツアーはここまで。本日の歩行数は1万9800歩とやや少なめ!

コメント

  1. 京の弟子 より:

    呉基地でのお土産ありがとうございました。
    「ヒコーキに乗らないと…病」発症前に、日帰り国内小旅行を
    お楽しみになられたご様子。
    呉の鉄のくじらに加え、縮小模型でありながら十分大きさを感じることが
    できる戦艦大和にも圧倒されます。実物はもっと迫力があるんでしょうね。
    クルーズ船に手を振る隊員さん、また絶妙のタイミングでの国旗降納。
    呉をあげて観光客を出迎えてくれていますね。
    プチ旅行でしたが、本ブログ作成ともにお疲れさまでした。

  2. 大川奈那美 より:

    おはようございます。
    昔横須賀基地を見学したときのことを思い出しちゃいました。
    広島空港でお好み焼き表記はちょっと意外…しかし、流石のボリュームですね。
    機内での時間も満喫されたようで何よりです。
    禁断症状は治まりそうですか(^^)?

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