2泊3日、嘉義・台南と九分・台北【第1日目】

旅行期間:平成29年(基督暦2017年)4月20日(木)~22日(土)

航空会社:ピーチアビエーション

プロローグ

30歳台までは頻繁に国外脱出していたが、気が付けば22年も日本から出ていない。

友人と酒を飲めば「定年後、国外へ行ってみたい」との話で盛り上がるが、話だけに終始。

そんな状況を少しでも変えてみたくて、取り敢えずパスポートを取得。手にしたパスポート、ICチップが埋め込まれ、22年前のモノとは大違い。そして、パスポートを手にすると、使ってみたくなるのが人情。

そんな時、インターネットで「飛虎将軍」の記事を発見。米軍機に撃墜されて亡くなったゼロ戦のパイロットが台湾南部で神様として祀られているという話。

試しに、最近耳にするLCCのホームページで台北行の航空料金を調べてみると、レガシーキャリア(大手航空会社)には無い座席指定料金やら、支払い手数料やらがあるものの、往復料金の総額が2万円程度と、以前では考えられない価格。「これなら中身の乏しい財布からでも何とか支払える!」ということで、行ってみましょう! 22年ぶりの海外旅行!

しばらくぶりの国外、初めての羽田空港(国際線)使用、などということもあって、利用を停止していたJCBコーポレートカード(海外旅行保険が自動付帯されたゴールドカード)の再発行やら、早朝の羽田空港駐車場料金の混雑状況を調べる等々、イロイロ事前準備。

そんな準備段階で、飛虎将軍廟のある台南周辺の見どころをネット検索すると、日本人技師が建設を指揮し、台南地域を穀倉地帯に変えた烏山頭ダムが有名らしい。さっそく台湾で大ヒットした関連映画「KANO~海の向こうの甲子園」を見てみると、嘉義農林学校の3民族で構成される弱小野球部が日本人監督の指導によって戦前の甲子園で準優勝するまでの実話。嘉義農林学校の後継となる嘉義大学に記念モニュメントがあるよう・・・等々

第1日目

ピーチ859便は午前5時55分発

早朝に羽田空港を出発するピーチ859便のチェックイン時間は2時間前。当然、公共交通機関は動いていないので、車で羽田空港に行って、空港に隣接する駐車場に駐車。

ピーチの予約手続きはインターネットで行い、航空券のデータもメールで受信。国際線の航空券といえば、日付・便名や発行旅行会社などの詳細が記載された細長い航空券が搭乗順に束ねられたモノが思い浮かぶが・・・年月の経過とともに、そうした航空券は姿を消したよう。

チェックインカウンターでパスポートを提示すると、スタッフが機械にかざしてチェックイン終了。一応、航空券のデータを紙にプリントアウトしておいたが、不要のよう。ボーディングパスを受け取って、セキュリティーチェックへ。

セキュリティーチェック、出国審査を経て、制限エリアに入る。羽田空港が完全国際空港化するまで、羽田発の国際線は中華航空のみで、古くて設備も乏しい旧国内線ターミナル、その後はプレハブ建てのターミナルを使用していたのだが、新しく建てられた国際線ターミナルは広くて綺麗。早朝のため、飲食店や免税店の多くは閉まっているものの、待合スペースの椅子も広いし、USB電源も備えられているなど、24時間運用される空港としての設備は十二分。免税店でタバコを1カートン買ってから、TIATラウンジで再発行してもらったJCBコーポレートカードを提示し、出発時間まで一休み。

初めて乗るLCCは?

出発時間の30分前に搭乗ゲート前へ。すでに多くの搭乗客が列を成している。

搭乗が始まり、中央通路の左右に3席づつ座席が配置(30列)されたエアバス320の機内へと入ると、掛け声の混ざったアップテンポなピーチのオリジナル曲が流れている。座席の前後スペースは大手航空会社より狭いが、取り立てて不便という程でもない。それより、スペース節約のためであろうか、後ろに座る人の膝が直に感じるくらい座席の背もたれが薄っぺらい。有料の手荷物預かりを避け、機内に持ち込んだバッグをオーバーヘッドコンソールにしまい込み、予約しておいた通路側の席(有料:後方のスタンダード席・1便600円)に着席。

定刻になると、航空機のドアが閉められ、国際線ターミナルから海上の滑走路まで、かなりの距離を移動。騒音対策もあって、早朝の離陸は海上滑走路を使うよう。

ようやく海上滑走路の端までタクシングしてきた航空機は、エンジン音を高鳴らせて滑走を始め、数分後には東京湾上空。西へ旋回して、一路台北へと向かう。

離陸後しばらくすると、レガシーキャリアならドリンクサービスが始まるタイミングだが、LCCなので機内販売。トリスのハイボール1缶におつまみが付いて400円と、値段は良心的。ハイボールをグビグビ飲みながら、スマホにダウンロードしておいた動画を見ながらリラックス(ハイボールは2缶目を追加)。

台北までの飛行時間は3時間30分。離陸から2時間30分を経過した頃には、早々と着陸に向けたアナウンス。すぐに離席出来なくなるということでトイレに行くと、関西国際空港をベースとしているピーチはトイレの中まで大阪!

トイレを済ませて席に戻ると、キャビンクルーが大きなビニール袋を持って機内を回り、「ごみはこの中に入れて欲しい」と呼び掛け。折り返しまで1時間という限られた時間内に乗客を降ろし、新しい乗客を搭乗させなくてはならないLCCならでは。

航空機は徐々に高度を下げ、台北の桃園国際空港には、ほぼ定刻どおりの8時半に到着。機内では、台湾時間は日本より1時間遅れなどといった通常の案内に加えて「清掃しやすいように、肘掛けを上げるよう御協力を」とのお願いアナウンス。アナウンスの締めくくりの言葉は「おおきに!」

桃園国際空港で

桃園国際空港のコンコースを歩いて行くと、途中でカメラがこっちを向いている。見ると、カメラを向けているのは検疫。熱感カメラで熱のある乗客をチェックしているよう。

入国審査を終え、税関の前を素通りして到着ロビーに出ると、時刻は9時過ぎ。まずは両替所横のATMで3000台湾ドル(NT$、約1万1000円)を引き出し、すぐ隣りの中華電信のカウンターでスマホにSIMカードを装着してもらう。100NT$分の電話も掛けられる3日間有効のSIMカードのお値段は300NT$(約1100円)。

続いて、交通系プリペイドカードであるイージーカードを入手。交通費が2割引となるのもさることながら、いちいち切符を買ったりしなくて良いので便利。支払いはカード代100NT$とチャージ200NT$の計300NT$。

現金入手よし!通信よし!イージーカードよし!ということで、開通したばかりの空港MRTの第1ターミナル駅へ。ガラスドームで覆われた近代的なホームに降り、台北行きとは反対側に入線して来た電車に乗車。車内には荷物置き場も設置され、布張りの対面シートが並んでいる。内装全体が落ち着いた色合い。

空いた席を見つけて着席すると、すぐに電車は第2ターミナル駅に到着。すると、他の乗客全員が下車!あれれ・・・と思いながら、電車を降りて立っていると、おばちゃんの係員が「どこに行かれますか?」と綺麗な日本語で訊いてくる。「新幹線で台南に行きます」と答えると、「新幹線の桃園駅に向かう電車はこの後に来ます」と教えてくれる。

次に来た電車に乗ると、車内の様子は先程の電車とは大違い。荷物置き場も無いし、座席は固いプラスチック製で、窓を背にして一列横並び。MRT台北駅から発車した特急車両は空港止まりで、内装が簡素な各駅停車の車両だけがその先に向かうよう。車内には、罰金額が示された飲食・喫煙禁止のステッカー。

台湾高速鉄道(新幹線)

乗車時間10分程度で電車はMRT桃園駅に到着。向かい側の台湾高速鉄道(新幹線)の駅に入ると、有人の発券カウンター。そこに旅行会社KKdayからインターネットで購入したバウチャー(紙にプリントアウト)を出して、次の列車の席を指定してもらう。このバウチャー、外国人専用で料金は正規運賃(桃園から嘉義まで920NT$《約3400円》)の2割引。台湾高速鉄道のホームページではもう少し割引率の高いチケットを入手出来るが、事前に便を指定しなくてはいけないので、いつ駅に到着できるか分からない旅行では、乗車直前に便と座席を指定できるKKdayのバウチャーが便利。

ホームで待っていると、入線してきた列車は、先端がカモノハシのクチバシのようになった日本の新幹線そのもの。乗車して車内を眺めても日本の新幹線。

※ 台南駅で撮影

だけど、一つだけ異なる点が・・・車両の中央に非常口と窓ガラスを叩き割るハンマーが設置されている!

もし、走行中に開ける輩がいたら・・・と思うのは安全・安心感にドップリ浸かった日本人だけ?

嘉義に到着

嘉義大学へ

乗車時間は約1時間10分で、11時半過ぎには嘉義に到着。地下のホームから地上に上り、立派な駅舎を出ると、駅の周りはガランとしていて何も見当たらない。駅前では多くのタクシー運転手が客引きの声を掛けてくる。この高速鉄道の嘉義駅、嘉義市中心の台湾鉄道の嘉義駅から約8㎞離れた郊外に位置。その間は、専用レーンを走るバスが結んでおり、高速鉄道の乗車券(駅で回収されません)を見せると無料で乗車できる。

駅のすぐ前にあるバス停には20人位がバスを待っている。駅前の空き地でタバコを一服し、程なくやってきたバスに乗車。バスは広い道路に設けられた専用レーンをかなりのスピードで走り、15分程度で台湾鉄道・嘉義駅に到着。

ここから嘉義大学を目指す。駅から約4㎞離れた嘉義大学まではバス路線があるのだが、学生の通学用なので運行本数は少なく、次のバスは午後1時発。約1時間もあるので、タクシーに乗車。車内でスマホのGoogleMAPを起動、タクシーが嘉義大学に向かって進んでいくのを確認。

タクシーは10分程で嘉義大学に到着し、正門前の守衛所で一旦停車。運転手が守衛と二言三言。守衛が覗き込んでくるが、ことらが外国人ということが分かったようで、タクシーはそのまま正門を通過して大学構内へ。正門から奥へと進むと、事前に調べておいた大学生協の建物が見えたので、その前で下車。料金は、100NT$札(約370円)を出して、コイン数枚のおつり。

タクシーを降りると、大学生協と道を隔てた広場に「天下の嘉農」と記された野球ボールの形をした大きなモニュメント。近藤監督が蘇選手を指導している銅像も。

碑文を見たり、写真を撮ったりして、時計を見ると1時近く。道路を渡って大学生協に入る。

大学生協の2階は、嘉義農林学校野球部に関する資料展示室。だけど、見学は予約制のようで入口にロープが張られている。仕方ないので、ロープの手前から展示資料を眺めておわり。また、大学生協では「KANO」の関連グッズも売っているが、購買意欲が湧くようなグッズは見当たらない。購入したのは、ソフトクリーム。

大学から嘉義駅までのバスの出発時刻は1時30分。まだ時間があるので、ソフトクリームを舐めながら、池に面したテラスで一休み。

嘉義大学は、東京都内の大学と比べると敷地は広大。バスの発車場所は大学生協の裏手と近いらしいが、正確な場所が分からないので早めに移動。見当を付けていた駐車場に行くものの、バス停らしき物は見当たらない。校舎から出てきた学生に英語で訊くと、駐車場脇の掘っ立て小屋の前がバス乗り場。駐車場の外れでタバコを一服しながらバスを待つ。

やってきたバスは・・・マイクロバスより小さく、客席が7~8席というワゴン車程度の大きさ。それでも乗車口にはICカードリーダーが備わっているので、イージーカードをかざして乗車、最後列に着席。他に4人の学生が乗車したバスは時刻どおり出発。大学構内の一部をグルりと一回りしてから市街地へと向かう。

嘉義中心部の噴水

市街地へと入ったバスの中でGoogleMAPを見ると、バスは市街の中心に位置する噴水と1ブロック離れた道路を走っている。噴水までの最短距離に近づいた辺りで車内チャイムを押し、停車したバス停で降車、噴水まで数百m歩いていく。所々の商店が歩道にまで商品を迫り出しているので、車道を歩かざるを得ないが。後ろからバイクが脇を通り抜けていくので怖い。せめて右側通行で走ってくるバイクが正面に見えるよう、道路の左側を歩く。

噴水に到着するが、工事中のようで水は噴き出していない。映画KANOでも、野球部の成長と共に工事が進んでいく様子が描かれている噴水で、実物には嘉義農林学校の呉投手の像が中央に据えられている。

噴水鶏肉飯で昼食

朝からアイスクリーム以外は口にしていないので、ここで昼食を採ることに。入ったのは、噴水近くにある「噴水鶏肉飯」という有名な食堂。名物の鶏肉飯とは、ガチョウの肉が乗った御飯。店内は2時という時間もあって空いている。席に着き、テーブルに置かれたメニューの「鶏肉飯」を指差して注文。従業員が「スープは?」と訊いているようなので、無難なところで「蝦」の文字がある「湯」も指さす。従業員の動きを見ていると、すぐに鍋から御飯をよそい、別な鍋から取り出した肉を御飯に乗せる。鶏肉飯は注文から20~30秒で出されたが、喉がカラカラなので、スープが出てくるのを待つ。

2~3分後、スープを一口飲んでから、鶏肉飯を口に運ぶ。肉の食感はパサパサといった感じ。お味の方は、ちょっとクセのある薄味。エビスープも薄味で、コレ!といった旨味は感じられない。「名物に旨いもの無し」との格言そのもの。しかし「空腹に勝る御馳走はなし」との格言どおり。分量も少ないので、すぐに完食。賄いの食事を始めた従業員に声を掛けてお会計。100NT$札(約370円)を出して、コイン数枚のおつり。

台湾鉄道嘉義駅は臨戦態勢

昼食後、噴水を取り巻くロータリーから伸びる中山路を約1㎞歩いて嘉義駅へ向かう。嘉義駅の駅舎は古き日本を感じさせる趣。

ここから乗車する普通列車の発車時刻まで30分以上あるので、駅舎の内外をブラブラ。阿里山に向かう登山鉄道もここから出ているようで、台湾鉄道とは別の発券窓口が設けられている。待合室の一画では「盲人協会」のマッサージが営業。そんな中で、駅舎の中央ロビーの正面に掲げられていたのは・・・

空襲時の避難経路図!! 平和ボケした日本では絶対にお目にかかれない代物。

烏山頭ダムへ

嘉義から「区間車」と記述された普通列車に乗って1時間近く。到着した「降田」は烏山頭ダムに最も近い駅だが、駅前にコレといった設備はない。駅前ロータリーの片隅にタクシーが停まっており、運転手らしき人達がベンチに座ってダベッテいる。

スマホで烏山頭ダムの紹介記事を検索し、その中から添付写真が大きい記事を画面に表示して、運転手らに示す。女性運転手が立ち上がり、一方を指差しすジェスチャーの後、指をぐるりと回して、日本語で「もどる?」と訊いてくるので、「もどる!」と答える。すると彼女は「はっぴゃく。OK?」 「まぁ、そんなもんでしょ」と思い「OK」と答えて、タクシーに乗車。乗車したタクシーはカローラの新型。内装も豪華で、グレードも高そう。

駅前を出発したタクシーは、ちょっとした街中を抜け、すぐに幹線道路から片側1車線の脇道に入る。脇道の右側にはコンクリートで整備された幅5m程度の水路が見え、その水路からいくつもの細い水路が分岐して田畑に向かって伸びている。周りは広大な穀倉地帯。

降田駅から走ること15分程度で、タクシーは烏山頭ダムの入口ゲートに停車。ゲートの係員が何か言ってくるが、理解不能。タクシー運転手が「日本人だ」と伝えると、英語で65歳以上か訊いてくる。まだ、高齢者割引の対象年齢ではないので、正規料金の200NT$を支払いゲートを通過。

ゲートを通過し、坂を登ったタクシーが停車したのは「八田技師記念室」。烏山頭ダムの建設を指揮した八田技師に関する資料が展示されている。「八田技師記念室」の横の階段を下るとダムの水門。水門の横には映画KANOの撮影が行われた旨が描かれた看板。

水門を眺めて階段を昇っていくと、タクシーの運転手が階段脇の碑を指し示して「かわいそう」と一言。碑文を読むと、八田技師が乗っていた船がフィリピン沖で撃沈されて亡くなった後、夫人がここに身を投げて自死したとのこと。

タクシーは、さらに坂を登り、天壇の前を通って吊り橋の手前で停車。吊り橋の下には、ダムが満水になった際に水を流す大きな水路が伸びている。

そして、タクシーは烏山頭水庫の畔へ。一帯を展望する場所には付近の案内図が設置。

ここで、タクシー運転手がスマホの画面を見せてくる。その画面には、首を切られた八田技師の銅像の写真とともに、切られた首が見つからないとの記事(北京語ですが、漢字を読むと、なんとなく分かります)。すでに日本では首が発見されたことが報道されていたので、自分のスマホに発見された首の写真付き記事を表示して見せると、彼女は一安心した顔。

タクシーは、入場ゲートを入ったところまで戻り、反対側から再び坂を登る。その先にはダムを座って眺める八田技師の銅像が本来あるはずなのだが・・・残念ながら、こんな状態でした。

付近には、ダム建設に使った重機や機関車も展示。多くの台湾観光客が見入っている。

烏山頭ダムを後にしたタクシーは、数分後には、日本家屋の立ち並ぶ「八田興一記念公園」に到着。

防空壕が残る広場を抜けて、八田技師の旧宅へ。裏庭に入ると、台湾の形の池。八田技師はこの池を眺めながら思案していたとのこと。

立ち並ぶ日本家屋の手前には、ダム建設にまつわる資料館。八田技師が、日本人の子供のみならず、ダム建設に従事する台湾人労働者の子供も一緒に通える学校を建てたことが大きく取り上げられている。

一通り見学し、タクシーに乗って降田駅へ。駆け足で回ったこともあって、所要時間は1時間強。

今夜は台南泊

降田駅から台南へは、高校生でいっぱいの区間車に乗って30数分。古き日本の趣がそのまま残る台南駅に到着したのは、少し暗くなりかけた6時頃。

宿泊先は鉄道ホテル

本日の宿泊場所である「鉄道ホテル」は駅前ロータリーに面した雑居ビルの中。道路に面したロビーの左隅にはセブン・イレブン。

ロビーには宿泊客とは思えない人々がペットボトルを手にしてくつろいでいる。チェックインすると、鍵と一緒にクーポンを渡される。セブン・イレブンで60NT$までの飲食物が購入できるクーポンとロビー並びのコーヒースタンドで使えるクーポンがそれぞれ2枚づつ(部屋が2人用のダブルルームのため)。agodaを通じて予約した際に、火災が怖いので低い階の部屋を希望していたこともあって、部屋は3階。ロビーに設置されたエレベーターに乗って3階へ。

部屋に入ると、白を基調としたキレイな内装。素人目にも、リニューアルしたばかりなのが分かる。

シャワーもガラスで区切られており、水がトイレ部分まで飛び散ることもない。

これで宿泊料金は1泊2468円。

※その後、10月に宿泊した際の部屋は、ロビーの裏手にある雑居ビルのエレベータで上がった上層階の部屋。設備も古く、友人夫婦の部屋ではシャワーも使えなかったよう。

部屋の中を一通りチェックし、陽の落ちた台南市街へ繰り出す。頭上にビルの2階がせり出している中華様式の歩道(日本にも「雁木」がありますが)を歩くが、所々にある食堂の前ではテーブルや椅子が占拠しているし、停められたらバイクで埋まった箇所やビルの工事で閉鎖された箇所も。そうした箇所では、車道を歩かざるを得ない。旅行者に優しい台湾ではあるが、この点だけはイタダケナイ!

神農老街

街中をぶらぶらと約2Km歩いて、たどり着いたのは「神農老街」。古い街並みが残された通り。店の前にはランタンが灯り、観光客が写真を撮ってはいるが、そうした箇所は一部のみ。全体的には静かで落ち着いた雰囲気。

上海華都小吃で夕食

神農老街を散策すると、時計は7時過ぎ。お腹も減ってきたので、約1Km歩いて「上海華都小吃」というレストランへ。松葉の香りが付いた小籠包が美味しいということで、ミシュランで紹介されているようだが、店の外壁にミシュランのマスコットである「ビバンダム」の絵を掲げているのは、中華料理店とは不釣り合いな感じ。

20人位で一杯となる程度の店内に入り、一人である旨を伝えると、大きな円形テーブルの一席へと御案内。メニュー指し示して、ほうれん草の炒め物とチャーハン、そして当然のごとく小籠包とビールを注文。

すぐにビールが出てくるが、それと間を置かずに蒸籠に入った小籠包も。誰もが注文する料理なので、常に店の片隅にある蒸し器に蒸籠をかけているよう。

ビールを一口飲んでから、湯気が出ている小籠包をレンゲに載せる。箸で皮を破って滲み出た熱々のスープをすすった後、生姜の細切りを乗せて、口へと運ぶ。松葉の香りが付いたモッチリとした皮。その中に具が詰まっており、旨味は感じるが、いかんせん薄味。そこで小籠包と共に出された醤油のようなタレを付けてみると・・・バッチリなお味! ビールとの相性も良い。

ほうれん草の炒め物が出てくる頃には完食してしまったので、もう1籠追加。それとビールも。ほうれん草の炒め物も薄味なので、タレを付けながら頂く。一方、続いて出されたチャーハンは、ちょうど良い味加減。

お会計は、400NT$(約1500円)渡して、お釣りが少々。

ほろ酔い気分で、お腹も一杯。ホテルに向かってぶらぶら歩いていくと、途中にはいくつもの飲食店ブースが並ぶフードコート。大勢の人々が屋外に設置されたテーブルで夕食を楽しんでいる。夜になったとは言え、熱帯地域に位置する台南は暑い。フードコートの片隅にドリンク類を売っているブースがあったので、かき氷の入ったミルクコーヒーを注文。少し甘すぎる感はあるが、かき氷が口の中を中和させてくれる。

ビールじゃ酔えない!

ホテルに戻り、ロビー脇のセブン・イレブンへ。飲み物が入った冷蔵庫の中を見ると、台湾麦酒のパイナップル味が並んでいたので、普通のビールと共に1缶購入。部屋に戻って、飲んでみると、ビールというよりパイナップルジュース。アルコール度数も2%程度と低め。加えて、普通の台湾麦酒のアルコール度数も4%と低め。とてもじゃないが、酒飲みには物足りない! 再び、セブン・イレブンに行って、台湾麦酒3缶とスナック菓子を追加購入。

ようやく酔いを感じたところで、ベッドに入り、9時過ぎには早めの就寝。

おやすみなさい!

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