実質3日のベトナム・サイゴン【第3日目】クチトンネルに行き、市内を散策

クチ・トンネルに行く

朝6時にセットしていた携帯のアラームが鳴り、起床。

このホテルでは朝食が付いており、7時からサービス開始。5分前に食堂を覗いてみたところ、コーヒーやパンは並んでいたので、ベトナム流に練乳を入れたコーヒーを飲みながらパンを一切れ食して、朝食を5分で完了。

今日はクチ・トンネル・ツアーに参加する。クチは、当時、ベトコンが南ベトナムの首都であるサイゴンを攻撃するための基地を設営した場所で、地下には司令部などや縦横無尽なトンネルが掘られていた。なお、ベトコンとは日本国内での呼称であり、ベトナム・コンサン(共産主義者)の略語。米兵はVCと呼んでいた。

7時5分頃に部屋を出て、10分頃にはツアー催行会社であるTNKトラベルのオフィスに到着。予定時間どおり15分には車に乗ったドライバーとガイド氏がやって来て、案内されるままに乗車。ちなみにVELTRAに支払ったツアー料金は3520円(クレジットカードで決済)。

車はトヨタ製。3列シートでボディもワイドだが、国内では見たことのない車種だ。本日の同行者となる男性2人組が3列目に着席し、私は2列目に着席。途中のホテルで女性1人をピックアップして、ドライバーとガイドを含めた6人でクチに向かう。

車内では、ガイド氏より、ベトナムに関する諸々のレクチャー。年配者はいまだに米国人に悪い感情を持っているが、若い人々はむしろ親米であることや、ベトナム全体としては領土(島)問題で対中国感情が悪化していること、子供の頃はみんな貧しく、服もつぎはぎだらけだったが、ドイモイ(改革開放政策)以降は豊かになりつつある、等々。

「歴史遺跡」クチ・トンネルに到着

車は渋滞に巻き込まれることもなく、9時頃にはクチ・トンネルに到着。駐車場は広くて舗装されているし、立派なトイレも併設されている。

車を降りると、施設の入り口に、これまた立派な建物が見える。施設全体を案内する看板もあり、もはやベトナム戦争の「歴史遺跡」といった雰囲気ではなく、完全な観光地。

ガイドから入場券とパンフレットを渡される。入場券を見ると9万ドン(約450円)と記載されていた。

入口の建物に入り、スロープを下りつつ奥に進むと、各展示施設のあるエリア。

まずは、半地下の小屋に入って、クチがどういう場所だったかという日本語の説明ビデオを見る。他にもいくつか小屋があり、言語別になっているようだ。

※施設の多くが、こうした半地下に設置。

その後、ガイド氏の案内で、トンネルの隠し入り口、塹壕、炊飯所、米兵を殺害するためのトラップ展示、等々を見学するが、いずれも観光客に便利なように作り直されたもの。

トンネルにも入ってみるが、壁や床はコンクリートで固められ、チョットかがめば普通に歩ける広さ(それでも欧米の体の大きな人は入るのを諦めるようですが)。

う~ん。これって完全にテーマパークじゃん!!

トンネルには本当に使用されていた隠し入り口から入り、土だらけになりながら、狭いトンネルを四つん這いになって進む。トンネルの中には、落とし穴や毒蛇が飛び出すトラップの跡が残っており、先に進むと指令所などが残っている。そんな30年前に来た時と比べることもできない変貌!

まぁ、ガイド氏も言っていたが、欧米からも多くの観光客が来るようになったので、それに合わせて施設を整備(作り替えた)ということなのだろう。ちなみに、30年前に訪れた時の客数は私も含めて3人だけだったが、今回はザッと見ても300~400人はいる。

30年ぶりにAK47をフルオート射撃!

見学の途中で、休憩所に立ち寄る。が、休憩などしておれん! 休憩所の端には弾丸販売所があり、ここで弾丸を買うと、すぐ脇にある射撃場で実射可能! 早速、AK47の弾丸を20発購入(弾丸は10発単位で60万ドン・約3000円)。ここも以前とは変わって、安全対策なのか銃が半固定されていて、自由に構えることが出来ない。

係員が弾丸を弾倉に入れ、銃に装着・装填してくれた(自分でやりたかったのに)。スマホを動画撮影モードにして係員に渡して、射撃開始!

50メートル程度先の的に向けて5~6発を単発で撃つ。しかし、以前はコーラの空き缶だった的が1メートル四方位の板に変わっており、全弾命中してしまう。つまらん。

そこで、射撃モードをフルオート(連射)に切替! 引き金をチョコっと引くと、ダッダッダッ!と3~4発連射。AK47の特徴でもある大きな反動がくるので、着弾もバラける。

やっぱり、連射がおもしろい。弾を20発買っておいて、良かった~。

※米軍の使用したM16(弾は同価格)などもありました。

アッという間に、6000円分の弾丸を撃ち尽くし、射撃は終了。バカな金遣いだと言われれば、そうでしょうケド。

お土産に、床にころがった薬莢を拾ってポケットへ。

※以前は自由に銃を持てました。当時、1発1$。micも若い!

射撃が終わると、それに合わせて休憩時間も終了。

戦争時代にベトコンが食していた芋が出されたので、試食。ボソボソしていて旨いものではない。

※お皿の芋を分け合って試食。お茶は穀物の味。

見学後、入り口の建物に戻ると、お土産コーナーを発見。しかし、コレといった物はない。カラ薬莢で作られたキーホルダー以外には・・・ここでも売っていました。

サイゴン市内を散策

再び車に乗って、TNKトラベルのオフィスに帰ってきたのは、お昼のチョット前。

朝食は極めて簡素だったので、このタイミングで昼食。昨日食べたボーコーが旨かったので、再び食べる。今回は麺無しスープで、パンを食す。

お腹も満たされたので、9月23日公園で開設されているバザールをブラツキ、一休みしてから、ベンタン市場に行ってみる。

市場の建物に入ると、複数ある通路の両脇に衣類や雑貨を売る店がギッシリ。通路も狭く、買い物客でギッシリ。スリが多いと聞いていたが、薄暗くて、スリにとっては格好の漁場! 観光客を見ると、呼び込みに精を出す。

市場を奥へ進むと、屋麺類などを扱っている屋台風の飲食店。その奥には乾物や野菜をはじめとした食品の売り場。このエリアでは、客が立ち止まっていない店の店員は半ばウトウトしている。衣類・雑貨のエリアほどの活気はみられない。

※この写真は、後日9月に撮影

特に買いたいものも無いし、混んでもいるので、ひと回りしたら市場を退散。

ベンタン市場の前は何やら大きな工事現場。工事現場の塀のアチコチには日本の国旗が描かれている。日本の経済援助で建設が進む地下鉄工事のようだ。

広い通りを渡ってみる

本日は土曜日ということもあって、昨日に比べて交通量は若干少なめ。

とは言っても、東京都中心部の平日並の交通量。信号のある交差点を選んで歩いてきたが、ついに信号の無い横断歩道に遭遇。車道は5車線ほどの広さ。一方通行になっていることだけが気休めだ。躊躇はあったものの、通行量が比較的少いタイミングを見計らい、遠くから走ってくる車・バイクを見ながら渡りだす。

走ってくる車・バイクは停車することはおろか、速度を緩めることもない! 横断歩道を渡る自分の前後をビュンビュン通過する! ただ、横断者の歩く速さを見切って車線(実際には車線は引かれていませんが)を変更しているようだ。

立ち止まってはダメだ! チョット怖いが、同じ速さで横断を続ける。無事に横断終了! 信号のある横断歩道を渡っていても、右折(日本の左折に相当)してくるバイクが多いが、同じ速さで横断し続けることが肝要ということだ。

30年ぶりのグエンフエ通り

アチコチで地下鉄建設工事の壁に阻まれながら、歩いてグエンフエ通りに到着。通りの中央が公園となっており、通りの先端は市政府庁舎にブチ当たるのだが、そこにあるのは、ホーおじさんの銅像。

👇 昭和から平成に変わる頃は、こんなに閑散!

グエンフエ通りをブラブラしているうちに陽が影ってきたので、オペラハウスの前を通ってレタントン通りに入る。

レタントン通りも飲食店などが連なり、賑やかな通りだ。

レタントン通りの「日本人町」

レタントン通をサイゴン川方向に進むと日本人町が出来ているというので、行ってみる。ベトナムに入国する事すら難しかった30年前には考えられない場所だ。

行ってみると、レタントン通りから入る何本かの路地の入口には日本人向けの看板が 設置され、その路地を進むとどんな店があるのか分かるようになっている。

※いずれの路地にもこうした看板が設置。

路地の一つに入ってみる。居酒屋やラーメン屋、スナックバーなどが営業している。

路地の中を一通り見て周り、他の路地にも入ってみる。計3本の路地沿いに日本人町が形成されているようだ。

辺りは暗くなり、それぞれの店の看板が灯ると、まだ人通りは少ないものの、新橋の裏路地といった雰囲気!

世界最高のマッサージを受ける

今日は結構歩いた。3万歩位か? 夜中に脚がツラなければ良いが、と思っていたら、マッサージ店が目に入る。入口には、わざわざ「まじめなマッサージ」と掲示され、マッサージ各コースの所要時間と値段が記載された看板も出されている。

看板の前で、しばし考える。ただし、頭の中は既にマッサージ受け受けモードに入っており、考えているのは、どのコースにするかということ。

しばし考慮の末、一番お得な90分コース・40万ドン(約2000円)に決定。店内に入ると、従業員が出迎えてくれる。英語が通じるようだ。

マッサージ室に案内されるのを、出された茶菓を味わいながら待つ。茶菓を出すようなサービスが普通に行われるのも日本人町ならではということだろう(台湾のマッサージ屋の多くでも、お茶のサービスがあります)。

待つこと10分位でマッサージ室に案内される。薄暗い中、施術台が8台くらい並んでおり、先客1人が施術を受けている。

マッサージを施術してくれるのは、割と小柄な女性。強めのマッサージが好みなので、若干不安であったが、脚が疲れていることを伝えて、施術台に横たわる。

マッサージは首筋から始まった。う~ン、程よく力強くて気持ちイイ!! 脚もしっかりとマッサージ。力の入れ加減もさることながら、バッチリとツボに入っている!!

今まで、国内外いろいろな所でマッサージを受けたが、今回のマッサージの上手さは世界最高!・・・と思っていたら、1時間程でマッサージ師が交代してしまった。残念!

残り30分程、普通のマッサージ師(決して下手ではないです。最初が上手すぎ)から施術を受けて、マッサージは終了。

バーで酒を飲む!

楽になった脚で日本人町をブラブラ歩く。すると、スナック・バーが集中している一角を発見。

「ビールばかりで飽きたなぁ(ベトナムで酒といえば、ビールばかり)」などと思いつつ、スナック・バーを眺めながら歩く。各店の前には通行人に声をかける従業員。

1件の店前で声をかけられたので、料金がいくら位が訊こうと思って立ち止まったら・・・ギョ!ギョ!ギョ! 突然、店の中から女の子が5~6人飛び出してきて、取り囲まれた!!

口々に「イラッシャイませ~」「イッパイどうですか~」などと騒がしい。その中で、日本語が話せる落ち着いた感じの女の子が話しかけてきたので、料金を聞く。

ビール1缶、ウイスキー1パイが5ドル(ドル建てですか?)(約550円)らしいが、「飲み放題」は30万ドン(なぜか飲み放題だけ”ドン”)とのこと。女の子の飲むドリンク代も1杯5ドル。一通り飲んで、大体70万ドン(約3500円)程度という話だ。

まぁ、日本人向けの高めの値段とは思いつつ「その位の値段なら」と店に入った。

店内には、中央にスペースが空いた楕円のテーブル。中央のスペースから酒をサービスする仕組み。テーブルの周りに配置された椅子に腰をおろすと、先ほどの女の子が隣に座ってきて、注文を聞くので、「飲み放題」を選択した上で、ウイスキーのソーダ割を注文。

女の子はテーブルの中に入って酒を作る。ウイスキーはバランタインを使用している。出されたウイスキーソーダを一口。すると、くだんの女の子が「もっと濃くする?」と訊いてきた。

当然、Yes!YES!YES!

めいっぱい濃くしてもらったウイスキーソーダを飲みながら、隣の席に戻った女の子と会話が始まるが、まずは「使えるのは100万ドンまで! あなたへのチップ10万ドンも込み込みで!」と伝える。

すると「普通はドリンクを2杯(10ドル)飲むが、1杯にしておくから、その分くれる?」と訊いてきた!

帰りに安全なタクシー(サイゴンの繁華街にはボッタくりタクシーが出没。比較的安全なのはビナサンかマイリンというタクシー会社)を捕まえてもらうことを条件に、チップ増額をOK!

話を聞くと、技能実習生として広島の〇〇製作所で働いていたそうで、またチャンスがあれば日本に行きたいとのこと。店でもアで始まる日本語の名前を名乗っている(以後、ア嬢と記載)。技能実習生は劣悪な環境で働かされる場合もあるが、随分と良い環境下であったようだ。

2杯目のウイスキーソーダを作ってもらうと、ア嬢いわく「あと2杯ネ!」??? エッ! 飲み放題なんですけど・・・ここの「飲み放題」とは、4杯セットを意味するニホンゴということらしい。

なんてことを話していると、急に店を飛び出して行っちゃった!! 他の女の子もみんな一緒に飛び出す!!

2~3分すると戻ってきたので、理由を聞くと、壁に掛けられたモニターで店の前に立ち止まる人を見つけると、全員が店を出て客引きするというのが、ママの方針とのこと。

う~ん、気の弱い人だと逆に驚くんじゃないの? てなことを言ったものの、考えてみれば、酒を飲もうと夜のサイゴンをホッツキ歩く人の気が弱い訳なんてないか!

規定?の4杯を飲み干した上で、555(バーバーバーというビール)を1缶追飲し、1時間ほどで終了。

お会計は73万5000ドン(約3650円)! 一応、計算書もくれたので見てみると、5ドルと言っていた飲み物は11万5000ドンで計算していた。

店を出て、ア嬢にレタントン通りまで送ってもらう。タクシーが何台も停まっているが、みんな比較的安全ということで有名なビナサンのタクシーだ! 考えてみれば、ここで乗車する日本人はビナサンかマイリン以外は乗らないのだから当然のこと。

ア嬢にはホテルの名前と場所が記載されたカードを見せておいたので、タクシーの運転手に行き先を告げてくれる。

最後にポケットから約束どおりのチップ20万ドン! バイバイ!

夕食です。

ホテルに帰ってきたものの、空きっ腹!

若干酔っぱらったこともあり、再び、ホテル近くのサイゴン・レストランへ!

元々、好きではないが、本場なら旨いかもと思ってベトナム名物の生春巻をサイゴンビールと共に注文。

ビールを飲んでいると、生春巻が出てきた。一口ガブリ・・・あまり味を感じず、やはり旨くない。テーブルにあった調味料を大量にぶっかけて、ビールで胃に流し込む。口直しには、昨晩に食べて美味しかった蝦の入った揚げ春巻、それとビールをもう1本。

今晩飲んだのは、濃い目のウイスキーソーダ4杯とビール3本(缶)。酔っぱらった頭でも「これ以上飲むと翌日に差し障る」と思い、コンビニ酒は買わずにホテルへ帰投。

部屋に入るなり、ベッドに横たわり、第3日目は終了!

【第3日目の歩行数:2万歩】

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