【令和3年(基督歴2021年)4月10~11日】
「空飛ぶ電車」は成田発!
今回使用する「空飛ぶ電車」は成田発。搭乗口はLCC用の第三ターミナルではなく、国際線第一ターミナルの1階到着ロビー脇。
成田空港発の国際線は何度か使用しているが、国内線搭乗は今回が初めて。気になる料金は、往復運賃7,380円に、LCCならではの「支払い手数料」が往復分(600円×2)が加わり、総額8,580円。ちなみに、チケットを購入した1週間後の3月28日に見たら、往復運賃が12,180円と、約5,000円の値上がり。正にちょうど良いタイミングでの購入! また、通常は通路側の座席を予約するのだが、予約画面を見ると、埋まっている席が極めて少ない(乗客が少ない)ので、今回は座席指定は行わず、予約料900円を節約。
成田へは、昨年(令和2年)2月に東京駅と成田空港を結ぶバス路線が統合して出来た「AIRPORT BUS 『TYO-NRT』」で移動。コロナ禍の現在は便数減で概ね20分間隔での出発。おまけに料金も1,000円から1,300円に値上げ済。まぁ、大多数の乗客が使用していた国際線が停止状態という下で、鉄道より大幅に安いバス路線を維持してくれていることには感謝しなくては!
成田空港第1ターミナルに到着して出発フロアに入ると、想像していたとおり、今まで見たことのない光景。つまり、ほとんど人を見かけない!
レストラン&ショッピングのエリアに入ってみても、営業しているのは3分の1程度。
「空飛ぶ電車」で約2時間
「空飛ぶ電車」のタイムスケジュールは、成田を12時55分に出発して、大空町に15時05分に到着。実際には、12時45分にターミナルを離れて、13時に離陸。飛行時間1時間30分で、大空町の女満別空港に着陸。ちなみに、180席のエアバス320への搭乗客は30人程度で、機内はガラガラ。当然、燃料代すらもまかなえないレベル。
空港から見える光景は、何故か昨年訪れたポーランドの郊外を思い出す光景。広大な農地、所々に生える木々が全て針葉樹!
空港ビルの観光案内所で2日間乗り放題のバスチケットを2000円で購入。寒さを覚悟して外へ出るが、思ったほどの寒さではない。リックの中からコートを取り出すこともなくバスを待つ。
刑務所に到着
15時10分発のバスに乗り、広大な農地を眺めながら20分少々。降りた場所は・・・。
目の前には網走川。ゴールデンカムイ(漫画)では、駆逐艦で川を遡り、刑務所の壁を砲撃する場面があったが、この川幅なら十分可能。
網走川にかかるのは鏡橋。刑に服する己を映し出すということでしょうか?
鏡橋を渡った所には注意書。人権保護というのは理解出来るが、「名誉」というのは、何が「名誉」なのか? 特定の人々にとってはココに入ったことが名誉なのかも知れないが。
そして歩を進めると、正門。
ここから先に入ると、晩酌も出来ないし、出てくるのも困難。ということで、入口手前でUターン。
正門前には、刑務所で製造した品々を売る店。ドアを開けて、入ろうとしたら、閉店時間とのこと。入り口脇には「閉店15時45分」との表示。全く商売する気無し。
刑務所前から16時2分発のバスに乗り、北方民族博物館に着いたのは16時12分。博物館入口に記載された閉館時間は16時30分!
入館受付へ行くと「あと15分で閉館ですが良いでしょうか?」と訊かれるが、良いも悪いも入館するしかない。バス2日チケットに付属している割引券を使って入館料500円を支払うと、バスに乗るなら16時45分まで見学できるとのこと。
展示室に入ると、世界の北方民族の衣装や狩猟道具、等々が展示。
薄っぺらい衣装があったので、良く見るとアザラシの腸で作った防水着。
狩猟道具のコーナーには「ゴールデンカムイ」で描かれた道具も。
一通り見終わり、時計を見ると16時35分。バスの発車時刻は17時。観光施設なのに観光客のことを考慮していない閉館時間。
16時45分まで館内で待機して、外へ出ると、急に寒くなっている。陽が沈み始めると気温がどんどん下がるようだ。網走バスセンターに着いた17時15分頃には手がかじかむ位。
網走バスセンターで下車して、向かったのは道の駅「流氷街道網走」。流氷観光船も停泊しているが、観光船の運行期間は3月までで終了。
道の駅の内部は、レストランや土産物屋。地元のヒーロー(女性だから「ヒロイン」か!)であろうカーリングチームの看板も設置されていた。
此処でお土産を調達。この地、網走の観光資源は刑務所と流氷、そしてゴールデンカムイ!
リックからコートを取り出し、空いたスペースにお土産を収納。
道の駅からホテルに向かう頃には更に気温が下がり、ガサばりつつも厚手の防寒コートを持ってきて良かったと実感。
ホテル「ドーミーイン網走」にチェックインしたのは18時丁度。毎度お馴染みのagodaで予約。他のサイトだと宿泊料が6000円近かったが、agodaでの料金は5178円。
さぁ、ここまでアップロードしたら時計は19時過ぎ。
晩御飯は、リーズナブルな価格で、オホーツク海を堪能
ホテルを出て、網走繁華街へ。と言っても、この有り様。人がほとんど歩いていない!
そんな通りを過ぎ去り、ある路地へ入ると、Googleで評判も良く、値段も手頃な「寿司安」。
店に入って、案内されたのはカウンター席。
取り敢えず、注文したのは、刺身の「松」(松竹梅真ん中)と「メンメの開き」の塩焼き。酒は網走の地酒「君が袖」。辛口ドライな日本酒。最初は熱燗で戴く。
しばしの後、出てきた刺身はコレ。
中央甘エビに奥にはホッキ貝、右手には白身魚が2種類で、うち一つにはイクラが掛かっている(micは箸の使い方が下手なので、イクラをたべるのには少々苦労)。そして左手には蟹と鮪の赤身。いずれも2切れづつ。食してみると、歯応えシッカリ。お味もシッカリ。
メンメの開きが出てくるまでに、刺身は完食。酒も熱燗2合に、冷酒1合を完飲。
待つこと約30分、やっと出てきたメンメの開きがコレ。小ぶりな開きだが、味は良かった。追加の冷酒1合と共に堪能。
「君が袖」は辛口ドライで、料理との相性もバッチリ。「メンメの開き」も食べ終わったので、何か追加で注文しようと考えていたら、micのルーツである北海道・初山別村で食べた水タコの刺身を思い出した。板さんに訊くと、目の前の冷蔵ケースに並んでいるのは地元オホーツク海産の水タコ。料金も訊かずに刺身を注文。
正直言って、初山別村で食べたものほど柔らかくはなかったものの、本土(北海道では本州以南をこう呼びます)で食べるタコよりは遥かに柔らかいタコ。更に酒1合追加して、堪能。
そしてお会計。これだけ堪能して代金は5225円。ちなみに、バス2日チケットに付属の割引券で5%割引。
寿司安からの帰り道、セブンイレブンに寄って、夜食の準備。レジ横には寿司安のメニューにもあった「ザンギ」が並んでいる。ネットで調べたら、ザンギとは味付けの濃い北海道の唐揚げ。4個入りと大関ワンカップ300を購入。
ここまでのブログを投稿したら、時刻は21時40分。このホテルでは、屋上温泉施設でのアイスキャンディー等の他、夜食のラーメンのサービスがあるような。食堂に行ってみれば、既に4~5人が食事中。サーブされたラーメンはハーフサイズの醤油味。ハッキリ言って、無料サービスでは勿体ない位のお味。Googleにおけるホテルの評価で「夜食ラーメン」がキーワードとして出てくるのも頷けるレベル。
これで終わりにしないのが、ドメスティックTripの夜の過ごし方。更なる仕上げとして、追加のブラックニッカ(北海道でウヰスキーと言ったらNIKKAです)を一缶。グビッと呑んで、オヤスミナサイ!
2日目の朝
2日目の朝は6時過ぎにお目覚め。
ホテルの最上階は温泉施設。お湯に浸かるのは好きではないが、せっかくなので入ってみる(浴槽に入ったのは2分程度)。
部屋に戻って、昨夜にアップロードした投稿をチェック。かなり酒が入っていたこともあり、所々にミスを発見。そして修正。
ホテルをチェックアウトしたのは、バスの発車時刻よりちょうど1時間前の9時15分。
ホテルやバスセンターの付近には喫茶店等は見られないので、少し海岸方向に歩いた所にあるミスタードーナツで朝食。ウインナーパイとグラタンパイにコーヒーで613円。ホテルの朝食1500円に比べたらコッチの方が安いし、何より分量がちょうど良い(カロリー制限中なのに2個食べてしまったけれど!)。
網走監獄
バスセンターから博物館・網走監獄まで5kmの道のりの所要時間は約10分。道路がガラガラで、信号もほとんど無いからこその所要時間。
バスの乗客は自分1人だけ。駐車場に停まっている車も少くない。今日は日曜日で天気も良いのに・・・?
鏡橋を渡ると、入場券売り場。
正規の入場料は1100円。しかし、バスチケット付属の割引券で1割引の990円。リックはコインロッカーに預けて入場。
まずは正門。
時節柄、看守(人形)もマスクを着用。
正門をくぐると、正面に庁舎。内部は、左側が資料館、右側が喫茶店兼土産物屋。
土産物売り場の一角には、ゴールデンカムイの作者が取材に訪れた旨の記述と作者の書いた色紙。
網走を始め、明治政府が北海道に監獄を設置した理由は、ロシア帝国による侵略の脅威がある下で、囚人に北海道開拓の任を与えたということ。網走監獄の囚人は札幌までの中央道路の建設に投入された。
そうした建設工事で寝泊まりしたのが、こんな小屋。
奥に進むと、網走監獄の支所に当たる二見ヶ岡支所。
中には食堂。ここで監獄飯が食べられるはずだったが、現在は休業中。
ここの房は「斜め格子」で仕切られている。正面からは何も見えず、斜めだけが見える。
続いては有名な放射状舎房。
中央監視所から5つの舎房を見渡せる。
第一舎房は雑居房。トイレも房内にあるので、水洗化する前はさぞや臭いことだったであろう。そこで食べる飯だから「臭い飯」?
この舎房の格子は「くの字格子」で、正面からも斜めからも全く見えず、換気が出来るだけ。
冬には通路にストーブが設置。それでもツラい寒さであったとのこと。
次に向かったのは浴場。
そして教戒堂。
内部には、囚人の矯正や教戒師に関する資料。
正面は仏壇。「のっぺらぼう」が収容されていた地下牢は発見出来ず!
一通り回って、時計を見ると正午過ぎ。
最後に向かったのは施設外にある「監獄食堂」。
入口脇に掲示されたメニューがコレ。
当然、注文したのは監獄食の「ほっけ」。実際に網走刑務所で出されている昼食とのこと。ご飯は、麦2、米8とのこと。ほっけの他に、山芋の小鉢とフキの煮物の小鉢が付いている。
ちなみに、「ムショ」という言葉は「刑務所」という施設名が作られる以前からあったとのこと。明治時代の監獄飯は、麦6、米4。このムシの飯がなまってムショ!
食事を終えたのが12時40分。バスの時間まで1時間以上。ということで、ここまでの記事を執筆・投稿。
帰路につきます
13時30分に網走監獄を出発。
空港行きのバスが停まるバス停「天都山入口」までは1km強。さっき監獄食堂のテレビで、最近、熊が人里に現れるケースが増えている、と報道されていたのを思い出す。
熊に遭遇することなく、無事に網走川沿いのバス停に到着。
2分程遅れてやって来たバスに乗って、女満別空港には14時10分頃に到着。
自動チェックイン機にピーチから送信されてきたQRコードをかざしてチェックイン終了。
出発まで1時間半もあるので、展望デッキに出てみるが、駐機中の機体は無し・・・と思ったら、羽田発のJAL機が到着。
もしやと思い、スマホのフライトレーダーを起動させると、PEACH機が空港まで30kmの位置。
望遠レンズで待ち構えて・・・着陸シーンを撮影。
もう到着する飛行機は無いので、出発ロビーに戻ってアイスクリームを購入。コクがあるアイスクリームと書かれていたが、コクも甘味も極めて少ない味。
PEACHは定刻の15時45分にターミナルを離れて離陸。
飛行時間1時間半で成田空港に着陸。地上のタキシングならびにバスへの乗り換えに時間は要したものの、17時40分には到着ロビーに。
たまにはスカイライナーに乗ってみようかとも一瞬思ったが、東京駅行きのバスが55分に出発するとのことで、相も変わらずバスを選択。
「家に帰るまでが旅行です」とか、「100里の道も、99里来て半分と思え」といった言葉があるとおり、最後まで気を抜かずに帰りましょう。
《おしまい》
コメント
がらがらの羽田なんて、パンフレットでも見たことないレア写真ですね。
たしかに博物館はカムイの世界。
アシリパさんが持ってそうなお道具がいっぱいありますね。
あれで鹿やアザラシを仕留めてたんでしょうか…
アイヌグルメは難しいでしょうが、せっかくの北海道、お近くにリーズナブルで美味しいお店があると良いですね。
成田空港です。
今、寿司屋で呑んでいます。オホーツク海の刺身旨いです。
今回も一番のコメントでしたが、私が呑んだ以降の受信なので「クソ食らえ賞」です。何が賞品かはお楽しみ!
mic-yamamoto
2日ともお天気に恵まれたようで何よりです。
門番人形の詰襟が時代を感じさせます(^^)
オホーツク海の幸は今までの旅先グルメの中でもかなり上位の写真映えですね。
お土産話を楽しみに、無事のお戻りをお待ちしております。
無事のムショ帰り、お務めお疲れ様でした。
なるほど、ムショ入り、ようやく理解できて良かったです。
監獄食堂の監獄飯、さんまであれ、ほっけであれ、身がしまって脂ものって美味しそうですね。
浴場でモンモン入れた人形に金塊の場所を示すヒントがあったりして。
夜は、やはり魚と日本酒ですね。間違いなく美味いであろうことは写真から伝わってきます。
旅費もお安く行けたようで、いい小旅行になりましたね。