ナチスの悪行と東西文化の接点を訪ねる《第4日目・2月3日》
ベルリンからクラクフ(ポーランド)へ
グーテン·モルゲンには早すぎる
今朝⁇も時差の影響で目覚めは午前2時。スマホの天気予報アプリを見ると、クラクフの気温は零度前後。急遽、クラクフ行きの服装を見直し、ベルリンに置いて行くつもりだった防寒コートを防寒ジャンパーの上に羽織っていくことに。
ベルリンに置いて行くリックの上に「水曜日までの預かり宜しく」と書いたメモを置き、5時には機内持ち込み用の小リックに詰め替えた荷物を持って退室。
今朝の朝食
今朝も朝食は近所のカフェ。朝5時開店ということで、出向いてみたが、まだパンが焼けていない。コーヒーを飲み、スマホでヤフーニュースを見ながら、パンが焼けるのを待つことに。
パンが焼き上がったのは、5時20分過ぎ。まだ種類は少ないが、チーズ味のパイとプリッツを選択。この店のパンは旨い。早朝から客がひっきりなしに買いに来ることからも評判の良さが伺われる。お会計も全部で4.7ユーロ(約600円)と財布に優しい。
テーゲル空港に向かう
朝食を済ませ、荷物を持って、Sバーンの最寄り駅であるBahnhof Schonebergへ。今回は地下鉄を乗り継ぐのではなく、ベルリンを環状に取り巻くSバーンで空港近くのBeusselstraseまで行くことに。
Bahnhof Schonebergへ向かう途中、つくづく感じたのが、ベルリンの交通マナーの良さ。信号機さえ守っていれば、右折(日本の左折に相当)して来る車はキチンと止まってくれる。青信号で渡っていても目の前をバイクがすり抜けていく(逆走したり、後ろから歩道上を抜けていくケースも多々)ベトナムなどの交通マナーが「海外における常識」として染み付いてしまった身には却って新鮮! ただし、ベルリンの歩行者用信号機は青の時間が大変短い。早歩きで渡っていても、渡り終わる前に赤に変わってしまう!
Sバーンの41号線(環状線右回り)は、まだ早朝と言うこともあって、車内は空いている。ゆっくりと座って、約20分でBeusselstraseに到着。駅から出ると、既に発車しているはずの空港行きバスが遅れてやって来る。グッドタイミング! 車内は結構混雑していたものの、約10分で空港に到着。このルートの方が地下鉄を乗り継ぐより断然楽。
14日以内に中国に入国しましたか?
出発まで2時間半もあるが、電光案内板を見るとチェックインカウンター番号が示されていたので、早めにチェックイン。オンラインや自動チェックイン機でもチェックインは可能だが、ANAカードにマイルをレジストしてもらうため、有人カウンターでチェックイン。その際、尋ねられたのは「14日以内に中国に入国しましたか?」という質問。昨日、ブルガリア人からも「日本を含め、アジア地域は大問題ですね」と言われたばかり。遂に入国規制が掛かりだした模様。
搭乗ゲートに入るまで、コーヒーショップに入って本ブログを執筆。注文したのはレモン·ジンジャー·ブーストなる飲み物。冷たいと思っていたら、暖かかった! と言うのも、列車内も含め、空港内はとても暑い。ベルリンに到着して地下鉄に乗った際、タンクトップ1枚の上にコートを羽織った女性がコートの前を広げて座っていたのに驚いたが、確かに、そうした人が多い。自分も本日はTシャツ1枚の上に防寒ジャンパーと防寒コートを着てきたが、このコーヒーショップ内では、コートを脱ぎ、さらにはジャンパーの前を広げて、ちょうど良い感じ。
出発1時間前にコーヒーショップを出て、外で一服してから、出発ゲートに向かう。ここテーゲル空港の制限エリア(搭乗待合室)は搭乗ゲート毎に独立して設置されており、その脇には当該便のチェックインカウンターが設置(ただし、今回搭乗するルフトハンザだけは、搭乗ゲート前とは別に全便対象のチェックインカウンターが設置)されている。
制限エリアへの入口ではセキュリティーチェック。「化粧品とかクリームは入っていない?」と訊かれたので、タレ瓶入りウイスキーの詰まったビニール袋をリックから取り出して渡す。そして、金属探知ゲートを難なく通過。しかし、リックはX線検査装置から出て来ていない。よくよく見ると、係員がビニール袋からタレ瓶を取り出し、蓋を開けてウイスキーの匂いを確認している!! ある意味、しっかりとしたセキュリティーチェック!!
そう言えば、37年前、このテーゲル空港からハノーバー空港に戻る際、セキュリティーチェックで個室に連れて行かれて色々と調べられ、電話で話す係員の口から「レッドアーミー(赤軍)」という言葉が発せられていたのを思い出す。まあ考えて見れば、東西冷戦の最中、若い日本人が一人で(この時点で既に怪しい)、ハノーバーから日帰りでベルリンを訪れ(大分怪しい)、おまけにパスポートには東ベルリン入国のスタンプが押されている(こりゃテロリストだわ!!)ということなら、厳しく調べるのも当然。
ルフトハンザ2031便
初めて乗るルフトハンザ·ドイツ航空の2031便は、定刻の11時より10分程遅れてターミナルビルを離れ、滑走路から離陸したのは11時20分。ミュンヘンでの乗り換え時間が短いので、些細な遅れも気になるところ。
機内の座席は、予約していた座席がルフトハンザの都合(機材変更)で変更された6C(一昨日にメール連絡あり)。エコノミー席の最前列通路側という、急いで機外に出るには好都合な席。ちなみに、ビジネスクラスの座席は、いわゆる「なんちゃってビジネスクラス」。つまりクッションが薄いLCC仕様のエコノミー席と同じ座席で、1列3席の真ん中が空席になっているだけ。
離陸後、安定飛行に移ると、クッキーが配られ、続いて飲み物がサービス。これがチケットに記載されていた「軽食」。ちなみにビジネスクラスでは、トレーに乗った簡単な料理を提供。
2031便は、飛行時間50分でミュンヘン空港に着陸。到着遅延の種として心配していた雪は降っておらず、雨模様。急ぎ足で機外へ出て、電光掲示板でクラクフ行の出発ゲートを確認するが、表示されているのはエリアを示すKのみ。
とりあえず、トイレに寄ってからKエリアへ。喫煙所に立ち寄る際に、横の18番ゲートに目を向けると、そこには「Krakow」の表示。喫煙所で一服しながら電光掲示板を見ていると、程なくしてクラクフ行のゲートとしてK18が表示される。
K18 ゲートは喫煙所のまん前。搭乗客も集まり出している。
ルフトハンザ1622便
ルフトハンザの搭乗は、ボーディングパスの座席表示の下に記載されたグループ順。つまり、ビジネスクラス、エコノミークラスの機体後方からの順番。テーゲル空港では厳密に適用されていなかったけれど、ここミュンヘン空港では厳密に適用。ゲートを通過する際に自分でボーディングパスもしくはスマホ画面をスキャナーにかざすのだが、グループの順番が来ないうちは通過出来ない。
ミュンヘンで乗り継いだクラクフ行の1622便では、高い座席指定料金(1便17ユーロ)を払ってまで座席を指定する必要がなかったため、ボーデイングパスに示された座席番号は7Eで、右側3列の真ん中の席。飛行時間が1時間未満なので気になることもない。
1622便は、テーゲル空港を定刻より遅れて離陸。 このフライトでも、「軽食」はクッキー。
クラクフ到着。列車で市内へ。
約1時間の飛行で、1622便がクラクフのバリチェ空港に到着したのは午後1時。バリチェ空港では、同じシェンゲン協定締結国同士の移動なので、国内線と同様、パスポートコントロールもなく(一応、税関ゲートはありましたが、ノーチェック)スムーズに到着ホールへと移動。
まずは、外へ出て一服。気温はベルリンより一段と低く感じる。
ポーランドはEU加盟国ではあるものの、通貨は独自のズロチ。このためATMでズロチを引き出そうとするものの、これまでになく勝手が異なるATM。おまけに、画面に表示される引き出し額が1000ズロチ(約3万3000円)からなので、100ズロチ単位の引き出し額を表示させるのも難しい。何度か失敗しながら数百ズロチ(たった2泊ですから)を入手。
ズロチを手に入れ、ターミナルビル2階から伸びる歩道橋を通って鉄道駅へ。ホームにある乗車券の自動販売機でチケットを買おうとするが、現金が投入できない。クレジットカード決済もダメ。道理で周りの自動販売機を操作している人もマゴツイている。 地元の人が後ろから言うには、コインしか受け付けない状態のよう。14時12分発の列車のホーム入線も迫っていることから、慌ててターミナルビルに戻り、ターミナルビル内の公共交通機関乗車券販売機で切符を購入。クラクフ中央駅までの値段は12ズロチ(約400円)。
急いでホームへ降りると、既に列車は到着しており、ホームで待っていた乗客も乗車済。
車内に入り、空いた席を見つけて、ようやく一息。
クラクフ中央駅までの所要時間は18分(実際には20分以上かかりましたが)。この間、車内では若い女性の検札係が回ってくる(今回の旅行で、初めての検札)。
到着したクラクフ中央駅は近代的で、地方県庁所在地の最寄り駅のような感じ。ただ違うのは、改札口が無いということ。
コンコースには、マクドナルドやスターバックスも入居。マクドナルドの店内に入り、壁に掲げられているメニューの価格をチェック。一部の金持ち(国によりけりですが)しか入らないスターバックスより、一般人が入るマクドナルドの価格の方がその地域の物価水準を知るのには最適。
ホテルに向かいます
近代的な中央駅のコンコースを抜けて旧市街側に出ると、そこは如何にも東ヨーロッパという光景。石畳の上をトラムが走っている。
そうした旧市街に約100m程入った場所に本日から2泊するホテル·マテジェコ。
ホテルの前の通りの先には城壁都市への入口であるバルバカンが見える。
早速、チェックイン。時刻は15時。部屋は建物の内側の空間に面した311号室。窓からの眺めは向かい側の窓だけ。室内もシングルルームで狭め。
クラクフ旧市街を散策
ホテルで荷解きして、休息がてらにココまでのブログ記事を執筆&アップロード。
17時前にホテルを出て、バルバカンの横を通り抜けると城壁の門。
門をくぐると、そこは石畳の城壁都市。ただし、現在はマックやケンタッキー、スターバックスなども出店。
石畳の道を400m程進むと中央広場。客待ちの観光用馬車が並んでいるが、なぜか馭者は全て女性。通り過ぎていく観光客に声がけしている。
中央広場にそびえる織物会館の中はバザール。ただし、観光客目当ての土産物屋ばかり。
そんなバザールを抜け、通りを右折。あまり人気の無いローカルな道を300~400メートル進むと城壁(城壁そのものは既にありませんが)の外へ。城壁を取り巻くようにトラムが走る道路が設置されており、その道路沿いが今夜の目的地。
庶民派レストランSmakolyki
今晩の夕食は、グーグルマップで色々調べた結果、庶民的と評価されているSmakolykiで採ることに。
店に入ると、まだ17時過ぎというのに半分程度の席が埋まっている。従業員に一人である旨を伝えると、「お好きな席へどうぞ」とのご案内。なお、この遣り取りは旧東ヨーロッパを支配したロシア語ではなくて、西側の主要言語である英語。
ウエイターがメニューを持って来たので、まずはポーランド名産のウオッカと地ビールを注文。そしてポーランド料理のお薦めを訊ねると、「ポテトのパンケーキ 」との回答。パンケーキと言うと「ホットケーキ」しか頭に浮かばないが、ウエイターのお薦めなので、それを注文。
先ずは出てきた飲み物はコレ!
料理が出てくる前に、既にウオッカのショットグラスは空。本当に旨い酒! ギンギンに冷えているのに身体が温まる。メニューに梨風味のウオッカが載っていたので注文してみるが、売り切れ。仕方ないので、普通のウオッカをお代わり。
そうこうしていると出てきたのがパンケーキ??
ナイフで切って口に運ぶと、ソースがかかっているにも関わらず、サクッとした歯ごたえ。簡潔に表現すれば、ペッちゃんこなコロッケ。だけれども若干カレー風味のソースと肉、更にはサワークリームと香草が乗っており、サクサクの歯応えに濃厚な味がマッチしている。
という感じで食事を楽しんでいたら、またまたウオッカのショットグラスは空。ウエイターも時々「お味は如何ですか?」などと声をかけてくれるので、その際に、チェリー風味をお試しで注文。出てきたウオッカは赤い色。飲んでみると、チェリー風味と言うより、味そのものがチェリーの甘味ウオッカ。やはり普通のウオッカの方が旨い。
ポテトのパンケーキにソースをタップリ付けてほぼ完食。そして最後の1切れにポケットから世界的な万能調味料を取り出してかけてみると、これまた旨い。歳を取ってつく尽く思う「やっぱり日本人には醤油だゼ!」
テーブルに運ばれた際には、量が多くて食べ切れるかどうか不安だったポテトパンケーキも完食。ビール500ccと、ウオッカ40ml✕3杯も飲み干し、お会計。気になる代金は49ズロチ(約1600円)。庶民的なレストラン万歳!!!
少し酔いが回った状態で約1kmを歩き、ホテルに戻ったのは18時半過ぎ。疲れも感じるし、睡眠不足で眠気も感じるが、ここで寝てしまっては、また2時頃に目が覚めて睡眠不足が続いてしまう。せめて21時までは頑張って起きていようということで、本日の「ほぼライブ」版ブログを完成させてアップロードしたのは20時15分。ウイスキーを飲みながら21時まで頑張ってから就寝。明日はアウシュビッツ。
本日の歩行数:16000歩
コメント
遅くなりましたが、4日目詳細版を拝見させていただきました。
クラクフ・中央広場でライトアップされた夜景の中を馬車が走るなんてロマンチックですね。優雅なひと時を過ごせたと思います。