まずは朝食
香港3日目の朝は、ゆっくりと7時半に起床。今朝も、まずはホテル前の路上でタバコを一服。
室内に貼ったゴムロープにぶら下がる洗濯物やコンセントに繋いでおいた充電器等々をバックに押し込んで、8時半にはホテルをチェックアウト。
翠華餐廳(すいかレストラン)
ホテルから6~700メートル歩き、中環(セントラル)地区の表道路に面した「翠華餐廳」へ。日本でも「すいかレストラン」の名で有名な香港のファミレス・チェーン店。入口横にも拙い文字の日本語で「すいかレストラン」と書かれている。
混雑している店内に入り、指を1本を立てて「ワン・パースン」、一人である旨を従業員に伝える。案内された2席のテーブルには写真付きのメニュー。選んだのは、アイスミルクティー、スクランブルエッグとパン、それと牛肉入りの麺といった内容の朝食セット。数種類ある朝食セット値段のほとんどが30数ドル、日本円換算で500円前後といったところ。注文を取りに来た店員の着用するエプロンには、なぜか「時代が変わっても、味は変わらない」と日本語で書かれている。他の店員も同じエプロンを着用していて、これが制服。
出てきた朝食セットの麺は生麺ではなく、香港人好みインスタント麺。「出前一丁」が人気ということもあって、同じ料理でも生麺よりインスタント麺を調理したものの方が値段は高い。食べてみると、ぬるいスープのインスタントラーメンに甘味の牛肉が入ったという代物。スクランブルエッグやパン共々、特に旨いというものではないが、空腹は満たすだけなら十分。
「すいかレストラン」を出て、付近のビルの階段を昇ると、歩道橋がいくつものビルとビルを結んでいる。そんな歩道橋を渡り繋いで、香港島で一番の高さを誇るフィナンシャルセンターの中を通り抜けながら、スターフェリー桟橋へ。
手荷物を預けて、香港ぶらぶら
スターフェリーで尖沙咀に渡り、桟橋の目の前にある広東道を100メートル程入ったところのビル6階にある「JCBプラザラウンジ」へ。入口のインターフォンで来室した旨を伝えると入口のロックが解除されて入室。カウンターには日本人と香港人の女性スタッフ2人。ここでJCBカードを提示して、夕方まで荷物を預かってもらう。香港人スタッフはまだトレーニング中のようで、日本人スタッフからアドバイスされつつ手続きを進める。
ラウンジ内のアチコチにはツアーや土産物屋の割引情報が掲示。その中の「トラムツアー」に目に留まる。ツアーの正規料金は95HKドル(約1400円)だが、ここで申し込むと2割引。1日3回運行されているツアーのうち、2時半に上環のセントラルマーケットを出発するツアーを申し込み、当然のごとくJCBカードで支払い。
重慶大楼(チョンキン・マンション)に入ってみる
荷物を預けて身軽になり、彌敦道 (ネイザンロード)へ。九龍半島中心部の繁華街を南北に結ぶ大通り。沿道にはブランドショップやホテルが立ち並ぶが、その一角にあるのが「重慶大楼」。日本でも「チョンキン・マンション」という名で有名なビル。ビルの上階には激安なホテルと言うより木賃宿と言った方が適当な宿泊施設が数多く入居しており、ホテル予約サイトで表示される激安ホテルはだいたいこのビルの中。
彌敦道に面した重慶大楼の入口は、レートが悪いことで有名な両替所が数軒並んでいるだけで、通りから見るだけならタダのビル。しかし、中に入ってみると、薄暗い照明の下に、家電・電子部品を売る店や飲食店がカオス状態で建ち並び、その多くがインド・中東系の店。当然、飲食店で提供されるのもインド・中東系の料理だし、働いている人やお客の多くもそちらの方々。女性同士で立ち入るにはかなりの勇気が必要な雰囲気。「悪の巣窟」や「魔窟」とも言われた九龍城が取り壊された後、その後継と言われるビル。写真を撮るのも危ない雰囲気。
👆 撮影を忘れたので、GoogleMapより
重慶大楼を出てから、近くの尖沙咀駅から地下鉄を乗り継いで楽富駅に。駅前に面した聯合道の坂を下って行くが、雨とカンカン照りの繰り返しで大気は湿度100%の状態、着ている服はすぐに汗でベトベト。そんな状態で、坂を500メートル程下って左に曲がり、更に200メートル程いった所にあるのは200メートル四方程度の中華庭園。
「悪の巣窟」九龍城の現在は・・・
ここが九龍城の跡地。九龍城は、阿片戦争によって香港が英国に割譲・租借された際に「飛び地」として残った清の砦。清の滅亡後は、中国と英国との外交の狭間で、どの国の法律も及ばない無法地帯に。中国本土から逃れてきた不法入国者が住み着き、ビルとビルの隙間や屋上に更なる建物が増築され、治安の悪さも相まって「一旦入ると、出て来られない」とまで言われた場所。昭和50年頃には、よく潜入ドキュメントなどがテレビで放映されていたし、近くにあった空港にアプローチする航空機が上空すれすれを飛ぶ風景は香港の名物のひとつ。
そんな九龍城も、香港の中国返還を前にした西暦1993~1994年に取り壊され、現在では市民の憩いの場。公園内にはちらほらと中国建築、そうした建築物を結ぶ屋根付きの通路が整備されている。
公園の端から入って中心部へ行くと、公園の正門。正門の手前には取り壊しの際に出土した砦の正門跡や大砲が展示。その一角に展示されているのが往時の九龍城の模型。ぎっしり詰まったビルの中心部分だけポッカリと空いていて、そこからだけは空を仰げる。そこが清の時代の兵舎跡で、現在も保存されている場所。
兵舎跡に入ってみると、幅の狭い25メートルプール位のスペース。何の変哲もない場所と思って立ち去ろうとしたが、管理練に飲み物等を売っている売店があったので、コーラで渇きを癒しながら一息入れる・・・と、突き当たりの壁に見える場所から人が出てきた。一見しただけでは分からなかったが、奥への出入口。
入っていくと、九龍城に関する資料が展示されたちょっとしたスペース。一番奥の展示は、清の砦の時代に始まり、取り壊しが決定されるまでの九龍城の歴史が書かれた写真付きの年表。阿片窟やヘロインの取引が盛んだったのは西暦1970年代までで、その後は点心をはじめとした食品(衛生法規も労働法規も適用されなかったので繁盛したようだ)や電機部品などの製造にシフトしていったことが書かれている。年表の展示された手前には小部屋が並んでおり、そこでは九龍城での生活がパネルや音声でご紹介。子ども達の遊び場は各家のテレビアンテナが林立する屋上であったことが分かるが、つぎはぎビルの屋上から隙間に転落することは無かったのだろうか?
九龍城跡公園を出て、高湿度の中を汗だくになりながら坂を昇り、楽富駅へ。楽富駅にはちょっとしたショッピングビルが併設されているので、冷房の効いたコーヒーショップで一休み。
お昼ごはんはワンタン麵
一息入れて汗も引いたところで、再び地下鉄を乗り継いで、長沙湾駅へ。駅から地上に出ると、そこは下町の商店街といった雰囲気。青果店の店頭には青森産と韓国産のリンゴが並んでいるが、青森産1個の値段はほぼ1000円!いくら物価が高い香港とはいえ、こんな下町みたいな場所でそんなに高価なリンゴが売れるのだろうか?
駅から歩いて約5分。やって来たのは永隆街にある「Kwan Kee Bamboo Noodle」という名前の食堂。店先の製麺所の横から店内に入ると、すぐに店主とおぼしきオジサンが声を掛けてくるが、こちらが香港人ではないと分かると、言葉は広東語から英語に切り変わる。
席に案内されて注文したのは、メニューの最初にオススメマーク付きで記載されたエビの卵のかかったワンタン麺。それとアイスレモンティー。お値段はワンタン麺が53HKドル、アイスレモンティーが19HKドルの計72HKドル(約1080円)。
まずはアイスレモンティーがテーブルに出されるが、香港では珍しく一緒にお茶もサービス。喉の渇きを癒やしていると、程なくワンタン麺。日本の物とは全く別物だ。スープはなく、麺の横に大きめのシューマイのようなワンタンが5つ。麺の上には赤い粉=エビの卵。エビの卵は麺と一緒に出されたスープにも入っている。
食べてみると、麺自体に出汁の効いた味が付いていて旨い。エビの卵が多くかかった部分を食べると、エビの風味が強まり、味の変化を楽しめる。シューマイのように見えるワンタンも柔らかく、ぎっしり詰まった具に味が付いていて旨い。こちらも、一緒に出されたソースを付けると味の変化を楽しめる。一方、スープについては、エビの風味が強過ぎ。決して味が悪いわけではないので、個人的にはエビの卵が入っていない方が良い感じ。麺がほぐれ難い時は、スープをチョコっとかけて食べるのが通のようだ。スープを飲み干すと、オジサンが「もう一杯いる?」と訊いてくる(「もう十分」とお断りしましたが)。
全体的な感想は・・・わざわざ地下鉄に乗って来た甲斐がありました!!
トラムツアー
店を出て地下鉄の駅へ。時計を見ると2時近いので、スターフェリーには乗らずに、そのまま地下鉄で上環駅へ行くことに。
上環駅から地上に出ると、すぐ目の前がセントラルマーケット。線路が環状になっているトラムの折り返し地点だが、泊まっていたホテルと信徳センターの中間地点で、それまでに何度も通り過ぎていた場所。
出発時刻の2時半より20分早いが、すでにレトロな感じのトラムが停車している。小雨が降り出してきたので、急いで乗車。係員にバウチャーを提示して、イヤホンとトラムの2日間パスを受け取り、狭く急な階段を昇って2階席へ。
👆香港観光局のH.P.より
トラムの2階席は前部数列と後方デッキがオープントップ。前部の席には、欧米系の家族がピニールカッパを着て座っているが、自分は後方デッキに面した屋根のある席に座る。席の横にはイヤホンの差し込み口と言語選択チャンネル。当然、日本語のチャンネルを選択。
トラムは、出発時間になると、何のアナウンスもなく、銅鑼灣(コーズウェイベイ)に向けた1時間のツアーに出発。イヤホンからは最初にトラムの歴史の説明、その後は近づいてくる建物や看板などの風景の説明。説明音声の前後に聞こえる「チン♪チン♪」というトラムの警音が心地よい・・・が、後ろ向きに座っているので、説明のたびに振り返るのが面倒。通路に足を投げ出して、横向きに座り直す。これなら左に顔を向けるだけ。
風水の思想を採り入れた香港上海銀行の前を通過すると、続いて中国銀行のビル。イヤホンからは、香港上海銀行より高いビルだが、風水では最悪のビルということの説明。このほか、興味深かったのは、以前はトラムの運転手に休憩時間が無かったため、運転手はトラムを運転しながら、信号待ちの僅かな時間に弁当を口に運んでいたとの説明。
ツアー出発から30分程経過すると、雨足は強くなり、スコール状態。我慢くらべをしていた欧米系家族も屋根のある席に退避。自分も雨しぶきを避けて、後方2列目に移動。
トラムは、もうすぐ終点の銅鑼灣(コーズウェイベイ)・・・と思っていたら、右に曲がって山の方へ。右手にはハッピーバレー競馬場。競馬場に沿って進んでいくと、イヤホンからは「ハッピーバレー」の説明。これまで、てっきり「競馬で勝って、ハッピー!」なのだと思っていたが、ハッピーバレーの意味は「お墓」の場所。元々は湿地帯で、マラリアに罹患しやすい場所だったとのこと。音声案内に従って、競馬所と道を隔てた場所を見ると、林の中には色々な宗派毎に立てられたお墓が残っている。
トラムは、競馬場を一周して、セントラルマーケットと銅鑼灣を結ぶ本線に戻ろうとするが、その手前の道路が渋滞。車と違って、線路の上しか進めないので、なかなか前に進めない。その状態で、ツアー出発から既に予定の1時間を経過。
ようやく本線に出て、銅鑼灣に到着したのは4時10分過ぎ。1時間のツアーを1時間40分楽しめたと考えれば得した気分だが、その後に予定があったならば困っていたところ。
手荷物を受け取り、お土産を調達
JCBプラザラウンジの営業時間内に預けた荷物を引き取るべく、銅鑼灣から地下鉄を乗り継いで尖沙咀へ。
荷物を受け取り、再び尖沙咀駅のある地下へと降りる。駅の改札前はちょっとした地下街で、「奇華餅家」も出店。香港の定番土産とも言えるパンダクッキーで有名な店。
店舗をのぞくと、月餅をはじめ様々なお菓子が並んでいるが、店先の一番目に付く場所にはパンダクッキー。パンダを形どったクッキーで、1つ1つビニール袋で包装されている。お味の方もこく深くて美味しいので、職場へのお土産には最適。パンダ柄の缶に18個入って、お値段は88HKドル(約1320円)。JCBカードの優待価格が2缶140HKドルなので、まとめて4缶購入。
湾仔行きのスターフェリーとトラム
お土産の調達も完了し、ぶらぶら歩いてスターフェリー桟橋に向かう。尖沙咀側の桟橋には乗船口が4箇所。これまでスターフェリーには数十回乗船したが、入ったことのある乗船口はそのうちの2箇所、中環行きの1等乗船口と2等乗船口のみ。時間も余っているので、湾仔(ワンチャイ)行きの1等乗船口に入ってみる。
湾仔行きのスターフェリーは、ビクトリア・ハーバーを斜めに渡るため、中環行きよりチョット長い航路。運行本数も少なめで、料金もチョットだけ高い。そんな航路を夕方の潮風に吹かれながら楽しむ。
到着した湾仔の埠頭は、周りに何もない場所。付近一帯が工事中なので、いずれは賑やかな場所になるのだろうが。
仮設通路を通って工事中のエリアを抜け、最寄りのビルへ。ここでもビルとビルをつなぐ歩道橋が整備されている。歩道橋につながるビルのテラスを通り抜けて表通りに出ると、近くにトラムの停車場。トラムツアーでもらった2日間パスもあるので、上環行きのトラムに乗車。スターフェリー同様、見かけると「自分は香港にいるんだ」と実感するトラム。だけど実際に乗るのは、これが初めて!
夕方ということもあってトラムの中はそこそこに混雑していたが、何とか1階に空いた席を見つけて座る。トラムは車で混雑する中をゆっくりと進み、10分かけて1㎞先の中環(セントラル)に停車。平均時速は6㎞と、ゆっくり走る自転車並み。
トラムの降車口は運転席の横。料金箱が備え付けられているが、パスを提示して降車。近くのビルから歩道橋を歩き、スターフェリーに乗って、尖沙咀へ。
尖沙咀から薄暮の香港島を眺める
夕暮れの香港。時刻は7時過ぎ。スターフェリー桟橋から続く公園へ行くと、正面に見える香港島のビル群のライトアップが始まっていて、岸壁沿いは人々で混雑。みんな夕暮れの景色を眺めながら、8時から開始される「シンフォニー&ライツ」を待っている。
公園の岸壁からは団体がチャーターした船が出航、中国の伝統的な船であるジャンクも湾内に浮かんでいる。船上から「シンフォニー&ライツ」を鑑賞するクルーズツアー。
岸壁沿いの空いたスペースを見つけ、香港島の景色を動画撮影しようとするが、隣の2人連れの会話が途切れない。これでは動画に会話が入ってしまう・・・ということで、別な空きスペースを探して、夕暮れの香港島の景色を撮影。
撮影が完了したところで、隣のスペースにインド系の家族が入ってくる・・・「こりゃ、やかましくなりそうだ」と思っていると、案の定。おまけに、話好きの奥さんが話しかけてくる。「どこから来たの?」「日本」「オオ!日本!物価は高い?」「高いけど、香港の方が少し高いよ」「トウキョウは広い?」「香港よりずっと広くて、ビルや住宅がいっぱい建っているよ」等々。散々、話が続いた後で、奥さんが一言「ところで、何か始まるの?」。何が始まるか分からずにココで待っていたとは・・・インド系の方々の思考は理解困難!
シンフォニー&ライツ
8時近くになると、空は真っ暗。突然、香港島のビル群の照明が消え、ようやく「シンフォニー&ライツ」の始まり。一つのビルの照明が灯り、流れるようにピカピカ点滅。公園内には中国語の子供っぽい音声が流れる。いくつかのビルの点滅と音声が順番に続く。どうも各ビルが自己紹介をしているよう。
その後、シンフォニーが流れだし、それに合わせて各ビルの照明が点滅を繰り返す。音楽と光を融合させたショーで、一度は見ていて損はない綺麗な光景。最後に、いくつかのビルの屋上から発射されたレーザー光線がビクトリア・ハーバーの上を駆け巡り、約20分間のショーは終了。
👆 注意!! 音が出ます! sound on!
エアポートエクスプレスに乗って空港へ
香港滞在の最後に「シンフォニー&ライツ」を楽しみ、スターフェリーで中環へ。桟橋前から続く歩道橋を通って、香港島で一番高いフィナンシャルセンターに入る。空港に行くエアポートエクスプレスの始発駅はココの地下。歩道橋から入ったフロアーにあるエレベーターに乗って地下へと下る。
地下に降りると、航空会社のチェックインカウンターが並ぶ。いくつかの航空会社はインタウン・チェックインに対応しているようだが、チェックイン客の姿は見られない。なにより、駅全体を見回しても、客の姿はまばら。空港までの料金が115HKドル(約1700円)と高いため、香港人は安価な地下鉄で空港近くまで行き、そこからバスで空港に向かう、とは聞いていたが・・・これほど客が少なくて、経営が成り立つのだろうか?
券売機で残高が足りなくなったオクトパスカードに100HKドルをチャージして、エアポートエクスプレスに乗車。列車内はガラガラで、隣の車両に移ると、車内にいるのは自分だけ。脚を投げ出してシートに座り、ゆったりしながら約25分で空港に到着。時刻は9時20分頃、飛行機の出発時間が0時25分なので、ちょうど3時間前。
空港に着くと、駅のホームにはサービスカウンター。ここでオクトパスカードを返却して、チャージの残りを清算。それまでにチャージした金額とディポジットの合計は250HKドル(約3750円)。散々、地下鉄やスターフェリーに乗りまくったが、返却手数料9HKドルを引かれても30HKドル程度が戻ってきた。最後のエアポートエクスプレスは高かったものの、公共交通機関の料金が安いのは大助かり!
第2ターミナルでチェックイン
エアポートエクスプレスの進行方向から見て、メインターミナルである第1ターミナルはホームの左側。だけど自分が乗るHKエクスプレスのチェックインは、ホームの右側に位置する第2ターミナル。駅から第2ターミナルに向かう動く歩道に乗っていくと、チェックインカウンターがたくさん並ぶ広いフロア。だけど、ほとんどのチェックインカウンターには人がおらず、閉鎖状態。なんだか将来の増便に備えた施設のような雰囲気。
そんなフロアの中に、ポツンとあるのがHKエキスプレスのチェックインカウンター。まだ時間が早いためなのか、女性スタッフ1人だけしかおらず、他の乗客もいない。
チェックイン手続きでは「まだ搭乗ゲートが決まっていないので、出発ロビーの案内画面で確認するように」と言われて、ボーディングパスを受け取る。そしてスタッフは、フロア奥の通路を指して「あそこを奥へ進め」と指示。自分としては第一ターミナルの様子も見たかったので、その旨を伝えるが、帰ってくる答えは「No! You take a densya!」 何?と訊き返すと「densya!」 どうも「電車に乗れ」という意味らしい。仕方なく、言われたとおりに通路を進む。何もない通路を数百メートル進むと、なにやら人気の無いガランとしたホール。奥の方にはカウンターの中に座る係官の頭が見える。ここが出国審査場。
出国審査を終えて通路を歩いていくと、無人運行のシャトル・トレイン=Densyaが停まっている。中に乗り込むと、すぐにドアが閉まって、どこかへ向かって出発。乗っているのは自分だけ。SFの世界ならば、行先は幽閉場所か?はたまた異世界か?
なんてことを想像しながら数分。到着したのは、これまた人気の無い場所。上の階へ続く長いエスカレーターに乗る。そして、またエスカレーター。エスカレーターを乗り継いでいくと、多く人々が行き交うフロアが見えるが、そうしたフロアーに止まることなく通過。感覚的にはシャトル・トレインを降りてから10階分くらい登って、辿り着いたのが出発エリアのフロア。だだっ広いフロアだが、人でごった返している。
空港のフードコートは?
案内図を見ると、フードコートがあるので行ってみるが、どの店の前も長蛇の列。おまけにフードコートのテーブルはどこも満席。ようやくフロア端のカウンター席に空きを見つけ、椅子にバッグから取り出したTシャツを掛けて席を確保。
フードコートには和洋中華(日本のラーメン店もあります)いろいろな店舗。その中から選んだのは「正斗粥麺」という名の香港料理店。列に並びながら壁に書かれたメニューを見ると、いずれの料理も非常にお高い空港価格。ビール2缶とワンタン麵を注文したが、量が少なそうなので、蝦米腸も追加。レジで161HKドル(約2400円)を支払い、呼び出しベルを受け取る。
離れた席に戻らず、店の付近で待っていると、呼び出しベルが点滅しながら音をたてる。店の受け取りカウンターに出向き、呼び出しベルを返却すると、出てきたのはビール2缶とワンタン麺のみ。レシートを見せて、蝦米腸が無いことを伝えると、中国語で何か言いながら呼び出しベルを突っ返してきた。
とりあえず、ビール2缶とワンタン麺の載ったトレーを持って、席へ。喉が渇いているので、まずはヒール1缶を一気に飲み干してから、ワンタン麵に取り掛かる。このワンタン麵、値段は55HKドル(約820円)もするのに、大きめの茶碗位の容器に入る量。たいして味わう暇もなく、ものの数口で完食。
ワンタン麵を完食して数分後、再び呼び出しベルが鳴ったので、残っているビール1缶とバッグを持って蝦米腸を受け取りに行く。
受け取った蝦米腸、実は初めて食べる料理。食べてみると、薄い餅で蝦の餡を包んだ料理。正にモチモチの食感。ちょっと甘いが、味は良い。だけど、この量で42HKドル(約630円)! 食べた量は少ないが、ビール2缶も入ったので、お腹はそれなりに一杯。
喫煙所は遠い場所
フードコートで食事を終えると、欲しくなるのはタバコの一服。案内カウンターのスタッフに喫煙所を尋ねると、「gate29 down!」とシンプルかつ分かりやすい答え。29番ゲートに向かうが、これが中央ホールからかなりの距離。ようやく29番ゲートの手前まで来ると、下の階へ降りる階段の横に喫煙マーク。階下に降りると喫煙所は大混雑で、中は煙モクモク状態・・・そんな状態の喫煙所で一服。
余ったHKドルを日本円に両替
タバコを一服して、中央ホールをブラブラしていると、土産物を売る店舗に混ざって銀行の窓口。財布の中には、まだ300HKドル余が残っていたので、窓口に行き、コインも含めた全てのHKドルを提出して日本円へと両替。通常、外国では千円札単位でしか両替出来ないが、戻ってきたのは千円札4枚に500円玉ひとつ、それと僅かなHKコイン。
搭乗ゲートは不便な場所
両替を済ませ、搭乗ゲートの案内画面を見るが、まだ、羽田行きHKエクスプレス624便の搭乗ゲート表示は無い。他にやることも無いので、再び遠い喫煙所へと足を運ぶ。
喫煙所で時間を潰し、出発時刻まで1時間を切った頃、ようやく案内画面にUO624便が表示。表示された搭乗ゲートは200番台。案内に従って空港内を進むが、着いた先はフロア外れのエスカレーター。今度は長いエスカレーターで下っていくことに。
エスカレーターを降り、目についたトイレに寄ってビールの水分を出し切ってから先へ進むと、少し広めのホール。ホールの外にはバスが見える。中央ロビーからここまで15分位かかる感じだが、航空料金の安いLCCなので、致し方無し。
ゲートの前で待っていると、程なく改札が始まり、バスへと乗車。香港時間で日付が変わる頃、ターミナルビルからかなり離れた照明も乏しい場所に駐機しているエアバス320へと御案内。当然、ボーディングブリッジではなく、今時珍しいタラップを登って、機内に搭乗。
【ここまでの本日の歩行数は、3万2500歩】
HKエクスプレスに乗って帰国
搭乗したUO624便は、ほぼ定刻どおりに動き出し、香港国際空港を離陸。自分の席は通路側だが、3列の中央席が空いているので、隣に気を遣わず快適。機内販売のハイボール2缶を飲んで、すこしばかりウトウト。
香港からの帰りの便は、ジェット気流に乗って進むので、行きより約1時間早く着く。搭乗したUO624便も定刻どおりならば飛行時は約4時間。一杯飲んで、ウトウトしていると、あっという間に3時間が経過。明るくなり始めた窓の外を見ると、雲の間から太陽が昇ってくる。
機内では、日本の入国カードや税関申告カードの配布が始まる。もらった税関申告カードへの記入を終えると、ひとり静かに窓側席に座っていた女性がボールペンを貸して欲しいとジャスチャー。良く見ると、まだ高校生くらいの女の子。日本へ一人旅??
窓の外には房総半島の景色。すっかり朝の明るさ。窓側の女の子はスマホを取り出して、カシャ!カシャ!撮影している。
そんな女の子越しに外を眺めていると、だんだんと東京湾の海面が近づいて、定刻の5時過ぎには羽田空港の滑走路に無事着陸。
早朝の入国審査エリアは空いていて、税関を通過して到着ホールに出たのは早朝の5時半過ぎ。しかしながら、京浜急行は既に運行を開始している。京浜急行に乗って帰宅の道へ。
今回のTRIPも無事終了!
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