旅行期間:平成29年(基督歴2017年)7月2日未明~5日早朝 利用航空会社:HKexpress(香港エクスプレス)
プロローグ
スマホでyahooニュースを見ていると、画面にHKexpressの広告。内容は、往路100円セール。帰りの便を通常料金で購入すれば、行きの便は100円とのこと。
7月から3日間の夏期休暇取得期間が始まるので、試しに7月初めの便を調べてみると、2日・日曜日の午前0時25分に羽田空港を出発する便がセールに該当。職場の同僚に業務スケジュールを確認の上、スマホの購入画面をポチっと。航空券代の合計額は、高額な香港出国税・空港使用料、座席指定料、なぜか加わった予約管理料、などコミコミで往復2万2070円。
香港には何度か行ったことがあるが、いずれも中国への返還前。今回は、生まれて初めて中国領に入ってみることとし、Amazonで「跨線橋」なるSIMカードを事前に購入。香港・マカオのみならず中国本土でもGoogleのサービスにアクセスできるSIMカード。
羽田空港
今回は、行きも帰りも電車が動いている時間帯なので、羽田空港までは公共交通機関を使用。ちょっと(かなり?)遠回りして、浜松町から久々のモノレールに乗ってみる。
空港に着いたのは9時過ぎ。羽田の国際線は、深夜に出発する便が多いので、ロビーは大混雑。空いている席を見つけて、しばしチェックイン待ち。
10時になると、HKexpressのチェックインが始まる。事前に座席を指定(有料)してあるし、預入荷物も無いので、パスポートを提示してボーディングパスを受け取るだけ。
セキュリティーチェック、出国審査を終えて、TIATラウンジで時間調整。今回は中央4階のSKY LOUNGEではなく、午前1時から7時までは閉鎖されてしまうSKY LOUNGE ANNEXを使ってみる。ラウンジの中はSKY LOUNGEより広いし、座席もソファー席やテーブル席があるが、空港の至る所に設置されているはずのUSBポートが設置されていない。仕方ないので、変換プラグ付の充電器を取り出し、スマホを目一杯まで充電。
LCCのHKエクスプレスで香港へ
搭乗開始時間は11時55分なので、それより少し前に搭乗ゲートへと向かう。しかし、香港から到着しているはずの航空機は到着していない。搭乗ゲート前では、インド系と思える機長と欧米系と思える副操縦士が手持ち無沙汰に待機している。
結局、香港からの航空機が到着したのは、搭乗時刻を過ぎた0時過ぎ。乗客が降りた後、操縦士が交代して、ようやく搭乗開始。LCC御用達のエアバス320が羽田を離陸したのは定刻より約30分後。
香港に向かって飛行する機内は、深夜ということもあって暗めの照明。読書灯なしで何とか備え付けのパンフレットが読み取れる程度。メニューを見ると、ハイボールを売っていたので、2缶購入。ピーナッツの小袋が付いて、値段は(たしか)110HKドル!日本円に換算すると約1650円。ピーチの機内販売の約2倍と、かなり高い・・・が、それでも飲みました。
ハイボール2缶を飲み干し、しばし機内でウトウト。そうこうしていると、航空機は着陸態勢に。窓から見える陸地や海面がだんだんと迫り、習近平主席も出席した香港返還20周年式典が行われた翌日である7月2日の朝5時(日本時間6時)過ぎに香港国際空港に着陸。
巨大な香港国際空港に到着
ボーディングブリッジを通ってターミナルビルへ。人の流れに沿って、しばらく歩くが、入国審査などの案内は無い。そうこうしているうちにターミナルビルの外に誘導され、バスに乗車。バスはまだ暗い空港内を走る。時折、地下道にも入って、かなりの距離を移動。15分程度で、やっと、本来(?)のターミナルビルに到着。
ようやく入国審査等の案内板が掲示されたターミナルビル。入国審査の手前には、マカオや中国本土に向かうフェリーの発券所。香港への入国手続きを行わず、ここから直接、フェリーに乗れるようだが、早朝のため、発券所のカウンターには誰もいない。
フェリー発券所の前を通って、到着エリア唯一の喫煙所へ向かう。通路から見て、すこし分かりにくい場所にある喫煙所。中に入ると、空港スタッフと思しき2~3人が喫煙中。
タバコの免税枠は19本まで
ここで、スマホのSIMを交換しながら一服。ポケットの中にはタバコ2本と未開封の1箱。タバコの免税範囲は、多くの国が1カートン(200本)なのに対して、香港は19本。香港の税関は、税関職員の前を素通りする英国式だが、喫煙率の高い日本人はタバコの所持を調べられるケースもあるらしい。1本でも超過しているのが見つかると、数万円~十数万円の罰金。今回の旅行代金をはるかにオーバーする罰金を払わされる危険を回避するためにも、喫煙所でタバコ3本を消費。所持するタバコはきっかり19本。開通に若干手間取ったものの、SIMもスマホに装着完了。インターネットが通じることを確認。
喫煙所で時間を弄したこともあって、入国審査はガラガラ。ちなみに、パスポートに入国スタンプは押されず、代わりに出国期限が印刷された5センチ四方位の紙片がパスポートに挟まれてくる。入国審査の後は、税関の手前にあるATMで香港ドルを入手。2000HKドル(約3万円)引き出したら、500HKドル紙幣が4枚。特にチェックされることもなく、ガラガラな税関の前を素通りして、到着ロビーへ。
交通系「オクトパスカード」を入手
到着ロビーへ出たのは6時前。まずは交通系プリペイドカードである「オクトパスカード」を入手したいが、どこで購入できるか分からない。案内所があったので訊ねると、空港から市内に向かう高速電車「エアポートエクスプレス」の発券所で入手できるそうだが、発券窓口が開くのは6時とのこと。
ATMで引き出した高額紙幣を細かくしたいこともあったので、到着ロビーのカフェに入る。いくつかの朝食セットメニューがあったので、適当にペンネスープとミルクティーのセットを注文。値段は36HKドル(約540円)。お味の方は「こんなもんでしょ」というレベル。次の機会があったら、飲み物だけを注文。
カフェで朝食を採り、ロビーに出ると、エアポートエクスプレスの発券窓口が開いている。オクトパスカードを入手したい旨を伝えると、チャージ100ドルとデポジット50ドルで150HKドル(約2250円)が最低料金とのこと。迷わず最低料金でカードを入手。これで地下鉄もバスも、イチイチ切符を買うこともなく、便利に利用できる。
中国本土に入るため、バスで上水へ
今回のTRIPの目的の一つは、生まれて初めて中国領に入ること。まずは香港との国境に当たる「羅湖ゲート」に向かいたいが、羅湖ゲートは地下鉄の羅湖駅からしか入ることが出来ない。このため、バスで羅湖駅から1駅手前の上水駅に向かい、地下鉄に1駅乗って羅湖ゲートを通過することになる。
到着ロビーの出口にはバス乗り場の案内。途中系統図や発車時間が書かれた案内板も掲げられている。時刻表を見ると、上水行きの「A43」の始発は7時過ぎ。まだ1時間近くあるが、取り敢えず乗り場に行ってみる。
空港の到着ロビーから外へ一歩出ると、ものすごい湿度。時折、スコールのような雨も降ってくる。アッという間に身体はベタベタ。バス乗り場を確認し、バスターミナル外れの喫煙所で一服して、早々にエアコンの効いた空港ビルに戻る。
空港ビルの椅子に座って時間調整の上、7時前にバス乗り場へ。すでにバスは到着しており、乗車しようとする人々が列を成している。バスに乗車すると、1階は大きなトランクを持った人々で大混雑。一方、狭い階段を昇った2階はガラガラ。眺望の良い最前列が空いていたので着席・・・ただし、足元は非常に狭くて、窮屈。
バスは定刻どおり出発。空港の周りを通って高速道路へ。高速道路に入ると、すぐ脇には住宅とおぼしき高層ビル群。住宅難の香港とはいえ、こんな市街地から離れた場所に高層住宅群を建設するとは!
高層住宅群の脇を通過すると、高速道路の右側は山、左側は海が続く。海上では、次々と航空機が高度を下げつつ空港にアプローチしていく。
そんな光景を眺めていると、バスは空港のある島と新界を結ぶ橋の上に。海面からの高さも、橋の長さも、かなりの代物。バスの2階から見える光景は素晴らしいが、もし横風を受けて運転手がハンドルを切り間違えれば・・・と想像すると、ちょっと怖い。
橋を通過すると、高速道路はジャンクションで分岐。バスは九龍半島とは反対の中国本土方向に向かって進む。日曜日の朝ということもあって、高速道路は反対車線も含めてガラガラ。途中、反対車線を3台のフェラーリが猛スピードで駆け抜けていく。金持ちボンボン達の道楽?
地下鉄で、生まれて初めて中国本土へ
空港を出発して約1時間、バスは8時過ぎに上水の駅前に到着。日曜日の朝にも関わらず、駅前の人通りは多い。後で知ったのだが、ここ上水は、香港で手に入る安心な生活物資や、中国で手に入る安価な食品等を、個人手荷物の形で国境を通過させる「運び屋」の拠点地。
上水から地下鉄(この辺りでは地上を走っている)に乗って1駅。羅湖に到着。
越境手続き
列車を降りた人々はホームの先へと進んでいる。その人波に乗って先に進むと、香港の出国ゲート。滞在時間3時間弱で香港を出国。通路を歩いて行くと、窓の外には幅10メートル程度の川。ここが香港と中国本土を分けるボーダーということ。川の上を通過すると、通路の一角には酒やタバコを売る免税店があるが、いずれも見たことのない種類ばかり。その先には中国本土の入国審査ゲート。ゲートは、①中国人民用、②香港・マカオ・台湾に住む中国人用(※中国は一つという主張なのでしょう)、③外国人用、といった表示で3つに分かれている。外国人用ゲートに並ぶ列が一番長いが、待ち時間15分程度で入国審査。提出したパスポートに中華人民共和国の入国スタンプが押されて、無事通過。次の税関では、大きな段ボール箱などをエックス線検査装置にかけてはいるが、バッグ1つだけの自分はその横を素通り。
ATMの操作は難しい?
税関の前を通り過ぎると、ATMがいくつも並んでいるが、利用している人は誰もいない。キャッシュレス化が進んでいる中国、特にIT産業が盛んな深圳では、現金が必要ないのだろう。そんなATMの前で、クレジットカードで現金を引き出すべく悪戦苦闘。事前に中国のATMの操作方法は調べてあったが、①英語表記、②クレジットカードでの現金引き出し、③暗証番号入力+ENTERキー、④金額指定、までは出来ても、その先が進まない! 別なATMでもチャレンジ・・・でもダメ! 結局、3度目に操作した中国銀行のATMが事前情報どおり作動して、中国元を入手。
ATMから引き出した100元札(約1700円)5枚を財布に入れ、建物の外へ出ると、通勤時間の駅前のような人混み。その中を真っ直ぐ抜けると大きな広場に出た。
当てにならないグーグルMAP
歩いている人も少なく(その後、広場に沿った建物の中に冷房の効いた通路を見つけました)、広場の先には大きなビルがいくつも見える。そんな広場の片隅に立ち、GoogleMAPを起動。現在地を見ると、中国本土に2~3百メートル入っているはずなのだが、まだ香港にいる表示。スマホに表示された地図では、出入国の建物も表示されていないし、国境のすぐ傍に表示されている道路の高架が3~4百メートル先に見える。つまり、GoogleMAPではボーダーから数百メートルまでの中国本土の情報が消えている。中国ではGoogleのサービスが禁止されている関係か?
深圳駅を左手に見ながら広場を進むと、広場の端には公安(警察)の監視塔。広場を抜けて、人民南路地を北に向かって歩くと、目に入るには奇抜な外観の巨大なビル。歩道沿いに不動産屋があったので、窓に貼られた物件案内を見ると、2DK程度のマンション1室の価格は全て日本円で1億円以上! 住むための部屋ではなく、完全に投機の対象。
「尚品居」の焼きそばは旨かった!
ボーダーを通って、初めて中国本土に入った緊張もほぐれてくると、喉の渇きや若干の空腹を感じる。人民南路沿いにいくつかの飲食店の入った建物があったので、その2階にある「尚品居」という名の飲茶店で一休み。店に入って、指1本を立てて一人である旨を伝えると、窓側の席にご案内。メニューには英語が併記され、いくつかの料理の写真も載っている。メニューを指さし、餃子とシューマイのような点心が2個づつ入った2蒸篭とジャスミン茶を注文。それと、メニューに「お勧めマーク」の付いたオイスターソース味の焼きそばを追加。
程なく、茶葉の入ったガラスポットとお湯の入った魔法瓶、それと茶碗や箸のセットがテーブルに並ぶ。昔、シンガポールで教わった中国茶の飲み方を思い出しつつ、①お湯を茶葉の入ったガラスポットに注いで茶葉を洗う、②本来は茶葉を洗ったお湯を茶器にかけて温めるのだが、衛生状態に疑問符が付く中国の流儀に従い、ボウルに入った茶碗と箸にお湯をかけてガチャガチャかき回して洗浄、③お湯を捨てたガラスポットに2回目のお湯を注いでお茶を抽出、といった作業を経てジャスミンティーをいただく。そうこうしていると、点心が出てきた。お味の方は、可もなく不可もなく、至って普通。
点心4つを平らげ、15分位待つが、焼きそばが一向に出てこない。そこでGoogleTranslaterの中国語通訳を起動させ、メニューを指さしながら、従業員に「まだ、時間がかかる?」と訊いてみると、どうも忘れていたよう。程なく、焼きそばがテーブルに運ばれてくる。この焼きそば、見た目は悪いが、お味の方はオイスターソースと醤油の味がマッチしており絶品! メニューに「お勧めマーク」が付いているだけのことはある。
焼きそばを平らげ、トイレに行く。中国のトイレは非常に汚いことで有名だが、ここのトイレは日本人にとって合格レベル。トイレで用を足してから、テーブルに置かれた伝票を持って、出入口付近ではなくホールの中央に設置された会計所へ。最高額紙幣の100元札でお会計。代金は、お茶が9元、点心2籠が20.8元、焼きそばが33元で、締めて62.8元(約1070円)。
歩道を走り抜ける電動バイクに注意!
「尚品居」を出ると10時過ぎ。少なかった人通りも増えてきた。再び、人民南路の歩道を北に向かうが、いきなりバイクが音もなく脇を駆け抜ける。見ると、自転車に毛の生えたような電動バイク。これが頻繁に歩道上を走ってくるので、安心して歩道を歩くことが出来ない! 時々、振り返って、後方の安全確認が必要!
しばらく歩くと、大きな通りの上の歩道橋に出たので、GoogleMAPを起動して、現在地を確認すると、すぐ近くには地下鉄の老街駅。
初めての中国地下鉄
老街駅と表示された入口から階段で地下に下ると、そこは小規模な商店の並ぶフロア。その合間を抜けて奥に進むと、地下鉄駅へと続く階段。切符売り場の自動販売機で華強路までの切符を購入。切符はプラスチック製のトークンで、運賃は2元(約34円)。
トークンを手に改札口へ向かうと、改札の手前にはエックス線による手荷物検査場。自分で検査機に流れるベルトコンベアーにバッグを乗せて、拾う方式。係員は見ているだけ。
コインを改札口のセンサーにかざし、遊園地の入口のようなバーを押して地下鉄構内に入場。階段を下ってホームに出ると、線路との間はガラスのドームで仕切られ、列車が到着するとホームドアが開くという近代的な設備。列車の車内も首都圏を走るJRの列車と比べて遜色ない。スマホで調べると、16年程前に運行が始まったということで、正に「リープ・フロッグ」そのもの。
中国の秋葉原
地下鉄1号線に乗ること数分で、3駅先の華強路駅に到着。駅から地上に出ると、そこは「中国の秋葉原」と言われる「華強北」。取り敢えず、近くのビルに入ってみる。
ビルの中は薄暗く、幅2~3メートル程度のテーブルの上やショーケースの中に電子部品をギッチリと並べた店が肩を寄せ合っている。路上市場のような感じだが、日曜日ということもあるのか、半分近い店は布がかけられて閉店状態。2階に上がってみても、同じような状態で、なにか完成品を売っている気配はない。
入った所の反対側からビルの外へ出ると、そこには幅30メートル程度の大通り。GoogleMAPを見ると「華強北路」と表示されている。大通りと言っても車道は無く、長さ300メートル程度の通り全体が広場のよう。その華強北路の両側に大きめのビルがいくつか建っている。最初に入ったビルは古ぼけていたが、他のビルは真新しい感じ。
著作権・商権なんて問答無用!!
通りを横断して向かい側のビルに入ってみると、いきなり頭の上をドローンが通過。人通りの中を電動スケートボードのような物に乗った人が走っている。通路の左右には間口5メートル程度の店舗が並び、デジタル機器や周辺機器を中心に様々な商品が並べられている。頭の上を通過したドローンや電動スケートボードのような物もそうした商品のデモンストレーション! まさにカオス状態! 陳列されているスマホの自撮り棒を見ると、アメリカ発祥のネズミやアヒル、熊本発祥の黒熊、等々のキャラクターが手持ち部分に付いている。著作権や商権など知ったこっちゃない!という状態。スマホを売っている店には米国りんご社の製品名が記された商品が並んでいるが、ホンモノかどうかは分からない。著作権や商権の侵害にとどまらず、中には自動車泥棒などの犯罪者御用達機器を扱っている店もあるとのこと。そんなビルの中の写真を撮りたい衝動に駆られるが、トラブルに遭った話も聞くし、実際にトラブル必至という雰囲気満々なので、撮影は断念。
別なビルに入ると、そこはパソコンショップが並んでいる。日本ブランド、米国ブランドなどのショップが並んでいるが、それらのブランド品を製造しているのはココ深圳をはじめとした中国が中心。そんなパソコンショップの中で幅を広げているのが台湾ブランド。電子部品産業では、深圳と双璧を成す「国」のブランドということもあって勢いがあるようだ。
この時期、しばしば豪雨が降ります
パソコンショップの入るビルを出て、通りの向かい側のビルに移ろうとしたところで、急に豪雨が降り出した。急いで通りの所々にある屋根のある場所に避難。すると、そこは地下へに入口。階段を下ってみると、飲食店街が続いている。華強北路の大部分の地下が飲食街になっているようだ。ただし、その地下街から隣接するビルへの通路は無い。こうした豪雨時にはかなり不便!
豪雨が通り過ぎるまで一休みということで、1軒のカフェレストランへ。店に入ると入口を入ると、会計所の手前の壁には料金が記載されたメニュー写真が掲げられている。その中から、フルーツジュースらしき飲み物の写真を指し示し、指1本を立てて、代金20元(約340円)を支払う。数分後、渡された受信機がバイブレーションと共に光り出し、飲み物を受け取って席に着く。ここまで全てジェスチャーのみで、会話は一切なし。深圳は広州に位置するものの、中国全土から労働者が集まっていることから、広東語も通じないらしい。当然、英語も然るべし。
カフェレストランでは20分程度の休息。そろそろ雨も止んだかと思いつつ地上に出るが、雨音をたてて降り注ぐ豪雨は止んでおらず、10メートル程度先のビルに移ることも出来ない。向かいに見える店舗の店先に置かれた巨大なスピーカーからは、そんな雨音に負けずとばかりの大音量で音楽が流れている。
避難した人達で混雑した地下街入口で、更に待つこと約20分。ようやく雨足が弱まってきたので、向かいのビルに移動。ここもパソコンショップが並んでいる。
電気街である華強北路を見て回ったのは約2時間。時計を見ると1時近い。空を見上げると、真っ黒い雲がいくつも通り過ぎていくので、これ以上の散策は断念。再び地下鉄に乗って、ボーダーに位置する羅湖駅へ。
地下鉄の羅湖駅に着くと、そこは深圳駅の地下。地上階に上がると、ボーダー方向に向かう幅広い通路があったので、人混みに混じりながら、その中を進む。通路の所々には、座って休める場所もあり、大勢の人々が談笑している。
SIMカードが使用不可能に??
そんな場所に空いたスペースを見つけたので、スマホを取り出し、これから向かう場所を思案・・・と思ったら、スマホが電波を受信しない! 試しにスマホを再起動してもダメ! 完全に通信不可能。そういえば、中国本土に入ってから何度か中国語で書かれたメールを受信したが、なにか関係していたのかも?
香港に戻りましょう
GoogleMapもGoogleTranslaterも使えない状況。仕方ないので、香港への入国ゲートに向かう。香港から中国本土へのゲートは1階だったが、香港へ戻るゲートは同じ建物の2階。ゲート付近には香港に向かう人々を当て込んだ商店街。そんな商店街をしばらくブラブラしてから、中国本土を脱出。滞在は約6時間。
香港側の「入境」手続きが終わると、通路の先には地下鉄のホーム。そのまま地下鉄に乗り、途中乗換を挟んで、九龍半島の先端に位置する尖沙咀まで約1時間強。
地下鉄の尖沙咀駅から地上に出て、少し歩くと、目の前には海峡の向こう側に林立する香港島のビル群。以前(25年前)はスターフェリー桟橋のすぐ前の位置だったマンダリン・オリエンタル・ホテルがちょっと奥に見える。その手前に数百メートルの土地があるということは、それだけ埋め立てが進んだということだろう。
香港島にはスターフェリーで!
九龍半島から予約したホテルのある香港島に移動する。そのまま地下鉄に乗って行くのが便利なのだが、「九龍半島から香港島へはスターフェリー」というのが、昔からのこだわり。
スターフェリー乗り場の2階に上がり、オクトパスカードをかざしてゲートを通過。目の前には香港島側から到着したフェリー。乗っていた乗客がすべて降りきると、乗船待合スペースの柵が開いて、乗船を待っていた乗客がフェリーになだれ込み、そしてて出航。到着から出航までに要する時間は約5分とスピーディー。
スターフェリーの2階席(=1等席。機関室のある1階は少しお安い2等席)に座り、海風を感じながら香港島の景色を眺めていると、ようやく「香港に来た!」と実感。しかし、その時間は5分程度。「世界最短かつ最高の船旅」といわれる所以。
スターフェリーを降り、「中環」に位置する桟橋から海沿いの道を歩いて「上環」に向かう。予約したホテルに向かうには道路を渡らなくてはいけないが、横断歩道のような場所が見当たらない。そのまま海沿いを約1㎞歩き、マカオ行の高速フェリーが発着する「信徳センター」から内陸に向かって延びている歩道橋を発見。その歩道橋を使って、ようやく道路を横断。不便!(と感じたのは、自分の予備知識の無さが原因。3日目にスターフェリー桟橋に続く便利な歩道を発見しました)
極狭ホテルにチェックイン
Agodaを通じて予約していたホーミーホテル・セントラルが位置するのは、大通りから1本奥に入った永楽街。周辺には乾物屋が軒を並べているが、ホテルの数軒先にはセブン・イレブンの看板も見える。
Agodaで香港の安ホテルを検索すると、2千円台からの部屋が見つかるが、それら安ホテルの場所は、いずれも「現代の九龍城」と言われている「重慶大楼(チョンキン・マンション)」のフロアの1部分。ホテルというより「簡易宿泊所=ドヤ」と言った方が的確な宿泊施設。治安がよろしくない重慶大楼を避けて、宿泊料金の安さと立地を考慮して選んだのがホーミーホテル・セントラル。宿泊料金は2泊で9975円。
そんなホテルのドアを開けると、5メートル程度ある通路の先に机が一つ。それがフロント。フロントの横にはエレベーター乗り場。これが1階(香港は英国式なので0階=グランドフロアー)の設備のすべて。チャックイン時には、フロントのお姉さんが「これ、使うでしょ?」と言って、英国式の電源コンセントから日本も採用するアメリカ式の電源コンセントへの変換器(タコ足配線タップ状の機器)を渡してくれる。
チェックインを済ませ、エレベーターで11階(日本式では12階)の部屋に。エレベーターを降りると、チョットした廊下の周りに4枚のドア。1フロア4室だけ。
部屋のドアを開いて中に入ると、3メートル程度の通路。通路の奥右側には洗面台とシャワーブース。その先を右に曲がった場所にベッド。ベッドの両脇にはスペースはなく、足元からベッドに上がるしかない。全部で畳3~4帖のスペース。窓から見えるのは、永楽街を挟んだビルの窓だけ。非常に地価が高い香港ならではの極狭ホテル。
そんな狭い部屋ではあるが、部屋の隅の棚の上にはミネラルウォーターとコップ、電話が置いてあり、壁にはテレビと電源コンセントも設置されている。洗面台には歯ブラシとコップ。ガラス戸で仕切られたシャワーブースにはシャンプーと液体ソープ。なによりエアコンは効いているし、Wi‐Fiもシッカリとつながる。一人旅で寝るだけには必要かつ十分!
SIMカードとマカオ行きチケットを購入
ホテル滞在時にはWi‐Fiがつながるが、外出するには深圳でつながらなくなったSIMカードの代わりが必要。フロントのお姉さんに訊くと、セブン・イレブンでも売ってはいるが、SIM開通(スマホへのセッティング)までやってもらうには、永楽街を中環方向に進んだ所にあるスマホショップが良いとのこと。さっそく出向いて、SIMを購入・開通。8日間有効で約100HKドル(約1500円)と少々お高い値段。
スマホショップの店員が先客への対応に時間を要したため、スマホショップを出たのは陽が陰り始めた5時半過ぎ。そのまま「信徳センター」に向かい、翌日のマカオ行き高速フェリーのチケットを購入。チケット代は平日の往復で331HKドル(約5000円)。
吉野家で夕食
「信徳センター」の中には、マカオ行きの高速フェリーターミナルのみならず、多くの旅行会社や飲食店も入居。日本のラーメン店も盛況のよう。チケット入手後、センター内をブラブラ散策していたら、時刻は7時近く。少し早いが夕食を採ることとし、センター内の「吉野家」へ。日本ではお目にかかれないメニューということで、御飯の上に、鶏の照焼と豚の角煮、それと温野菜の乗ったプレートを注文。お値段は、アイスティーが付いて52.5HKドル(約790円)と、物価の高い香港価格。お味の方は、照焼のタレが甘すぎることもなく、角煮もクセの無い味。温野菜には味が付いていないので、角煮のタレを付ける。特別に旨いということはないものの、日本人の舌にも合格点。
7月1日の香港返還20周年に続き、本日もシンフォニー&ライツに合わせて花火が打ち上るのだが、疲れもあったので、早めの夕食を済ませる、とホテルへ直帰。ここで読者の方々は「飲ん兵衛が今夜は飲まないの?」と疑問に思うでしょうが、前夜はほとんど寝ていない状態で、歩道橋への昇り降りが多いため、大事を取って飲みませんでした。
今宵もいっぱい、早めの就寝
そうは言っても、やっぱり飲ん兵衛。ホテルのそばのセブン・イレブンでウイスキーとスナックを買って、ホテルの自室でテレビを見ながら、恒例のひとり宴会。
酔いが回ったところで、9時過ぎには早めの就寝。おやすみなさい!
【本日の歩行・2万7500歩】
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