アキ・ラー氏の地雷博物館は爆発事故で閉鎖!
シエムリアップにおいては、有名なアキ・ラー氏の地雷博物館を訪ねる予定であったが、8月27日に同博物館で不発弾の爆発事故が発生。同事故をきっかけに、アキ・ラー氏が武器不法所持等の嫌疑で拘束されて、同博物館は閉鎖となってしまった!
カンボジア訪問直前まで、同博物館の再開に関して情報を集めている中で、カンボジアで地雷・不発弾除去を行うためにUNTAC(国連暫定統治機構)が設立したCMACという組織がシエムリアップで地雷に関する博物館を開設しているとの情報を入手。しかし、シエムリアップの何処にあるのかは不明。CMACのホームページを見ても分からない!
シエムリアップに着いてからも情報を集めたが、ホテルのスタッフらは博物館の存在すら知らず。そうした状況の中、プレアヴィフィアへの現地ツアーでバンメリアに寄った際、入口左にCMACが設置した地雷除去済の看板を発見。ガイド氏に訊ねると、博物館を知っており、大まかな場所を教えてもらえた。
というわけで、トゥクトゥクに乗ってCMAC平和博物館に行ってみました!
CMAC平和博物館は、シエムリアップの中心から、6号線を東に約20㎞行き、農地の中を通る未舗装の道を1.5㎞進んだ所に開設されていました(トゥクトゥクだと、片道約1時間かかります)。
プレオープン時のより展示を充実させたグランドオープンから1年少々経っていますが、まだ、訪れる人は少ないようで、私が訪問した際も、私以外の訪問者はいませんでした。
館内を案内してくれた所長に、CMACのホームページにも掲載されていないなど、広報が不十分な旨を話したところ、現時点では広報手段はファイスブックのみということでした。
6号線を東に進むと、左側に案内板が見える。
案内板。7:30~17:00 開館。無休。
この未舗装の道を入って、1.5㎞進みます。
グーグルマップでは、こんな位置。プレオープン時の施設名が表示されている。
所在地:Anlong2Village,Tropeang Thom Commune,Prasat Bakong District
CMAC平和博物館に到着!
しかし、入り口付近には誰もいない。勝手に入ると、館内の案内板があった。
案内板に従って、左に進むと、地雷除去現場の展示。
さらに進むと・・・タバコをくわえたオジサンが歩いている・・・こっちに来た。
オジサン、英語で「どっから来たの?」と訊いてくるので、ニッポン!と答える。すると、先ほどの地雷除去現場の展示に連れていかれ、懇切丁寧な説明。
ここでの説明で分かったことのポイントは、
☆ 地雷を踏んでから足を離すと爆発するというのは映画の中だけの話。実際には踏むとすぐに爆発する!
☆ 地雷の周りには、地雷を除去しようとする者に対するトラップが仕掛けてあることが多い!
☆ 現在では、地雷を見つけると、その位置をGPSで計測・記録し、その後に処理班がやってきて地雷処理。
地雷処理現場の説明を受けた後、博物館内へ。
最初は、ポルポト派(クメールルージュ)のプノンペン攻略から和平までの説明(当然、明石さんの写真もありました)。
次は、地雷・不発弾の多い地域図と地雷の展示。中国、ソビエト、東ドイツといった共産主義国家からの供与品以外にポルポト派がポリタンクを加工して自作した地雷もあった。
オジサンの説明は懇切丁寧! 自分の語学能力の問題や時間の関係もあるので、説明の簡略化をお願い。
見つかり難いよう、地中深く埋められ、丸太を介して起爆させる地雷の解説もあった。
その次は、戦争で使われた武器の展示。
CMACの活動紹介。①地雷・不発弾の発見、②除去、③国民に対する地雷の危険性の教育(食料の缶詰と思って、斧で叩いて開けようとする例があるそうだ)④除去技術訓練、の4つ。
地雷発見・除去の資材、現場の写真。
地雷爆破スイッチを押す小渕元総理大臣の写真も。下の写真は、日本が供与して高性能地雷探知機で、3メートルの深さまで探知するそうだ。
地雷・不発弾除去作業において殉職した職員の写真もあった。
オジサンから説明を受けながら、館内を一通り見学。ここまでで約1時間。
すると他の職員がオジサンの名刺を持ってきた。博物館の所在地や電話番号等が印刷されているので、ネットの情報をアップする際に活用してほしいそうだ。
オジサンの名前の下には Peace Museum Manager と記載されている。オジサン、所長サンじゃないですか!
博物館を出たところには募金箱がある。入場料は無料なので、寺院入場料程度のドル札を投入。みなさんも募金箱の存在をお忘れなく!
博物館の外には、地雷・不発弾で作成した像のオブジェ。
敷地内には、地雷で破壊された車や地雷除去の重機が展示。重機はコマツ製や日立製で、日本から供与したもの。
所長の見送りを受けながら、待たせていたトゥクトゥクに乗って、博物館を後にする。
トゥクトゥクはホテル(中心部から6号線を2㎞程東)で呼んでもらったが、その料金は往復(帰りは中心部の国立博物館前まで)で22ドルと良心的であった。
文句も垂れずに待っていたドライバーには、帰り道、飲み物でねぎらい、料金も1ドルプラス。
すると「夕方に空港まで行く際には呼んでほしい」とのこと。ちゃんとお願いして、空港まで送ってもらいました(真面目なドライバーでした!)。
おしまい!
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